LYE の League of Legends メモ

League of Legends プロリーグ LCS の解説を翻訳したり、同作や MOBA ジャンルで使われる英語を説明したりする予定。

The Dive S2 Ep2 つまみ食い翻訳:試合がスローな理由、8.2で輝くルーン

明けまして(暫く経ちますが)おめでとうございます。LYEです。今年もよろしくお願いします。

 

NA LCSのアナリスト陣 Jatt氏 Kobe氏 Azael氏が毎週1時間おしゃべりする公式番組

『The Dive」にてパッチ8.2について語っていたのでつまみ食い翻訳しました。 

youtu.be

ストップウォッチとゲームのスローさ

まず話題にのぼったのがDoublelift選手のツイート。

私家訳

 「個人的にはストップウォッチは使っても使われても面白いと思ってる。なんで大問題みたいに言われてるのか分からない。ADCが毎回5体のチャンピオンの中から1体選んでオーバーヒールとフリートフットワーク取ってレリックシールド+ポーション3個買ってるのに、使うのにスキルが要るルーンが問題視されてるのは🤔」

(注:これが無くなったとして、代わりにステータスが上がるルーン取ってそっちのが楽しいかって言われたらそうでもないよね、という旨の続きもあり)

 

  • 確かにつまらないシーンもあるけれど、基本的にはアウトプレイの大きな要因になっているのでいいんじゃないかと思う。
  • ただもっとアグレッシブな使われ方が見たいとは思う。
  • 個人的にプロシーンで試合がスローになる理由はストップウォッチじゃなく、ADCのレリックシールドやオーバーヒールだと思ってる。あれがあるから、前半を耐えると確信して後半に全てを懸けたハイパーキャリーがピックされるわけで。それにハイパーキャリーをピックするだけじゃなく、次の購入アイテムもBFソードラッシュじゃなくてレリックのアップグレードとかになってるんだよね。ダメージは上がらず体力が上がる。
  • いや、ストップウォッチも展開を遅くしていると思うよ。ミッドでもトップでも遅くなってるわけだから。だから、たとえば7割がレリックのせいだとしたら残り3割はストップウォッチじゃないかな。
  • ただそれが唯一の選択肢になってるのはつまらないというのは確かだ。
  • パッチ8.2でレリックが修正されるから、動きがあると思うけど。
  • [おまけ]こないだJin Air vs SKT戦が史上最長を記録したのは、別にストップウォッチとかのせいじゃなくて、アジールとシヴィアという試合を長引かせる要素(ウェーブクリア、ディスエンゲージ)が揃っていて、双方にそれなりのディスエンゲージ要因があり、なおかつ強力なエンゲージ手段を欠いていたからだと思う。と言ってました。
  • あと、見てる分には面白いけど実況はマジしたくない、昨日倍速で見直してたんだけど、解説のPapaSmithyが怒ってるみたいに聞こえて不謹慎ながら面白かった(苦笑)。と言ってました。

ミッド

  • それより問題なのはミッドの固定化。アジール、ゾーイ、ライズ、マルザハール。新パッチでナーフが来たのはマルザハールだけ。そしてヌヌのバフを考えるとアジールは間違いなくやばい。
  • ヌヌは完全バンでしょう。

レリックシールド変更

  • サポートアイテムのアップデートによりADCの初期アイテムになることはなくなると思う。

対象指定スキルによるミニオンAggro

  • 大きいのは対象指定スキルがミニオンのAggroを獲るようになることだろう。
  • 一部のチャンピオンには多大な影響が出る。カサディン、カシオペアパンテオンなんかを使う人は気が気じゃないんじゃないかな。
  • ハラスに使えなくなるわけだからダメージ交換で勝つのが難しくなる。特に近距離まで行かなくちゃいけないチャンピオンはかなりデカイと思う。
  • 個人的にはそんなに大きくないと思う。
  • ブラディミアが一番話題になっているけれど、でもQの後AA入れない場合ってそんなに多くないような気がする(QでハラスしてAAでCS取る人もいるでしょ、という突っ込みもあった)。
  • パンテオンは影響強いだろうね。Lv1カシオペアも。カサディンも近接だし。
  • ただプロにおいては、「万全を期さなくてはまずい、いつ絶対勝てるか把握しておかなくては」っていうのはデカイ。
  • 個人的に、こういう変更の後に酷く影響を受けたチャンピオンは個別に対応するというアプローチはいいと思うけど、シーズンの初めに入れるにはデカイと思う。
  • ただミニオンのAggroを茂みに入って落とすという基本をみんなが意識するようになるのはいいことだし、本来の挙動だからいいんじゃないかな。
  • みんな過剰反応していると思う。

アフターショックの変更

  • ダメージは随分落ちた。一方でAR MRの上昇がやばい。前は25ずつだったのが70~120。なので低レベル帯での防御力が強すぎる。
  • 序盤のガンクで圧倒的に硬すぎる。ベースの防御力が20とか30の時に固定値で70アップだもん。
  • これによって、序盤でのタワーダイブも現実味が出てくるんじゃないだろうか。特にセジュアニはパッシブもあるし。
  • ダメージは落ちたけどこれは凄まじく強くなると思う。
  • あとガーディアンにも変更が入って低レベルでのクールダウンが上がったから、今ガーディアン取ってる不滅系サポートで信頼性の高いCCがあるチャンピオンはみんなアフターショック行くんじゃないかな。
  • そして固定値になったことで、小規模戦を好むジャングラーも電撃からアフターショックに乗り換えるかもしれない。
  • 固定値ということは、防御アイテムを積まないチャンピオンにとっても有益だということだから。個人的にはヴァルスとかでも試してみたい。ヴァイとか。ただセジュアニだけは、序盤にパッシブ+30%が強かったから他ほど旨味がないかもしれないね。

ヌヌ

  • 絶対バンだよ。
  • 今高ELOだとアジールが滅茶苦茶強いけど、ヌヌのブラッドボイル(魔力とAS上昇)とのシナジーがやばすぎる。
  • このバフは、もうスキルが0.5個追加されたくらい強い。
  • コグ=マウもやばいだろうね。ケイルも。
  • そもそもヌヌはパッチ前でも勝率凄いし。
  • 元々ガーディアンで結構強かったけど、これで更に強くなるかも。

と、こんな感じでした。

個人的にこの番組と、EU LCS終了後のPOST GAME LOBBYは聴き応えバッチリなので、英語苦手じゃない人はぜひ

視聴してみてください!

 

以上今年もTLとUOLを応援する馬チーム好きのLYEがお伝えしました。 

雑記:個人的今年のLoLここが良かった:「見える化」

各種「見える化」は来年以降に向けたスタートダッシュだと思うんだよね

最近のHUDアップデート(HPバーやステータス異常の表示方式の変更)が最も見えやすいところだと思うけれど、
それ以上にプレイヤーの判断やスキルがゲームに与える影響が可視化されたことが非常に良かったなと思います。

分かりやすいところではソラリのロケット。以前は周囲の味方のMRを上昇させるという「存在するだけで影響する要素」がなくなり、アクティブにシールドを付与するためのアイテムになりました。
今年追加されたアイテムには、「ただ立っているだけで有効だけど、そのぶん貢献感も少ない」装備がなく、既存アイテムでそういった傾向があったものもリワークされています。
また、防具についてもSeason6の時より「戦局にあったものを選べる」ようになったんじゃないでしょうか(騎士の誓いの他、ナイトエッジ、リデンプション、ガーゴイルストーンプレート、アダプティブヘルムなんかもこの約一年で追加になったものです)。
たとえば「騎士の誓い」もそのあたりを意識しているのかなと個人的には思っています。視聴している側からはまだ分かりづらいですが、少なくとも使用者側としては「今こいつを少しでも活かすのが最善策だ」というのを判断した実感は残るので。
このアイテムの活躍、という点ではSSG Ambition選手がRuler選手を救ったのが一番記憶に新しいですかね。

youtu.be


ルーンの刷新もこれを更に後押しするでしょう。ゲーム前に自分がどういう風に有利を築きたいのかを決め、それが周囲に可視化されるわけですから。

あとは(僕がサポートプレイヤーなのもありますが)試合後のStatsにCC量・ワード設置数・軽減ダメージ量などが表示されるようになったことは
そこそこ大きなモチベーションになりました。自分の判断、行動がどれだけゲームに影響を及ぼしたかが数字でわかるのは、素晴らしい反省材料ですから。

この2点はおそらくサポートとタンクが一番影響を受けたのではないかと思いますが、チームに貢献している・試合に影響を及ぼしているという感覚はとても得やすくなったのではないでしょうか。

また、上手い人のプレイが上手いと分かる(それでもまだ分からんけど)ように改良を重ねている点も良かったです。
これはちょうど1年前のカタリナに関する以下動画の発言が一番端的で分かりやすいと思います。

youtu.be


ただ最近はこの動画で言うところの「深いチャンピオン」が多く「広いチャンピオン」は少なくなっていっていますよね(そうだった者もリワークで減ってる)。
もしかしたら「広いチャンプは各ロール1人いればいいよね」という判断なのかもしれませんが、これはNoobには結構辛い!ボリベア、耐えろ、耐えてくれ!


総じて、リーグ・オブ・レジェンドの2017年は整理・可視化と並行しての戦略性向上を目指した年だったのではないかと僕は思っています。そしてこれは、eSportsイベントやりながら新チャンピオン作りながらバランス調整しながら「なんとなくできちゃった」ことではないでしょう。
何らかの信念があってこの方向に舵を切っているのだと思いますし、僕個人としては大変素晴らしい成果を上げていると思います。


個人的にeSportsを観戦という視点から見た場合(そこが一番デカイ部分だと思っている)、LoL(と他のMOBA)の強みは「深い戦略性」と「アイソメトリック(いわゆるクォータービュー)視点で観戦しやすい」という点の2点だと思っています。弱みは「観戦のための前提知識が多量に求められること」です。他方OverwatchやPUBGなどは、あまり深く知らなくても楽しめる一方で、FPSという特性上「ゲームをどう見せるか」でまだ試行錯誤していると思います。


これを踏まえると、やはり今年の各種「見える化」は非常に大きな一手になるのではないかと。

 

というわけで今回は翻訳記事ではありませんでしたが、来年もいいブツを拾って紹介できたらいいなと思っていますので、どうぞ宜しくお願いします。
2017年、一緒に遊んでくれたサモナー&友達のみんな、ありがとうございました。

LYE


---蛇足と分かっていても書いてしまったので載せておく---
「でも肝心のゲーム内容ではバランスどうなのよ」とかそういう話もあると思います。Noobな僕でも一時期そうだよなーと思いましたし。
ただゲーム開発現場に少しだけ身を置いたことがある身としては、これは避けられないよなあとも思いました。
別にRiotを擁護するわけではないですが、1つの会社がテストできる量は、実際のプレイヤー(LoLなら億とか)がプレイする量とは比較にならないからです。
プロなのでバグについては出来る限りのことはしていると思いますが、最終的にメタがどう動くかを予想し切るのは無理だと思いますし、仮に慎重にテストした結果(おまけに「慎重に」テストすると、パッチ間隔は伸びます)それができた場合、(最近は追っていないのですが少し前の)Overwatchのプロシーンのようにパッチ適用とほぼ同時に「最適解」が出てしまうことになるわけで、それは果たして良いことなのか?という問題も出てきます。要するにプロシーンにおける新パッチ直前の「鉄板ピック」状態が、パッチ期間中ずーっとおなじになってしまうわけで。
それならば、ある程度の「遊び範囲」内で試行錯誤ができるほうが絶対に見ている側としても面白い。練習する側は大変だろうと思いますけれど...。

用語解説:プロシーンにおける「シリーズ」の意味(おまけ:「End it!」)

先日久しぶりにブログを投稿して、ちょっとキーボードを叩く意欲が上がってきたので小さな用語解説記事を上げてみます。

これまでの用語解説記事はこちら:

シリーズ

今日最初に取り上げるのは下のTweetで質問した「シリーズ」。

ちょっと疑問に思ったんですけどLoLプロシーン見てて「シリーズ」って言われてすぐ何かわかりますか?

— LYE (療養中) (@lye_) 2017年11月20日

この回答で、だいたい1/3くらいの人がわからないと回答されていたので今日はこいつを。 

こいつに対応する英語は「Series」です。「日本シリーズ」とかの「シリーズ」なんですけど、これの厳密な意味って意外とあんまり解説されていないですよね。


辞書サイトWeblioで検索すると、研究社 新英和中辞典で該当する意味は以下のように記載されています。

(野球などの)連続試合,シリーズ(戦).

 これでも、LoLのプロシーンで使われる意味での「シリーズ」が何かはまだ少しわかりにくい。僕らが一番なじみのある「LoLの大会やリーグ」という文脈で使われる意味をもっと説明的に訳すと、「複数回勝負した結果で最終的勝敗が決まる場合の試合のまとまり」です。おお、そうすると「日本シリーズ」もわかりやすい。

ということは...Bo1は「シリーズ」じゃないけど、Bo3やBo5は「シリーズ」です。

じゃあシリーズ中の各試合はどう呼ばれているのか?「シリーズ」における各試合は「Game」や「Match」と呼ばれます。日本語では「ゲーム 1」、「第 試合」とか言われることが多いですね。これを踏まえて英語解説がよく言うセリフ(の日本語訳)を見てみると、ああなるほどという気持ちになれる!

  • SKT相手に2ゲーム取ったチームはいくつもありますが、シリーズを勝ちきるとなると話は別ですよ!
  • Game 1で大敗しましたが、うまく修正・対応できないとそのままシリーズも落としますよ!
  • シリーズ通してコンスタントに活躍した○○選手がシリーズMVPを獲得しました!

こんな感じっす。

ちなみに次はおまけで、ずっと気になってたけど取り上げてなかった「End It!」を。

End it!

英語でも日本語でも、解説で時折耳にするこのフレーズ。

この場合の「It」はご想像の通り、「試合」です。そして「End」は命令形で、そのまま「終わらせろ、決めろ」です。

これを合体させると、意味としては「試合を終わらせろ!」となります。

解説がこれを叫ぶときというのは、(ヘタに余裕ぶっこいたり、ネクサス割る手を緩めたり、キル獲りにいったりしてるとここで試合決めきれないかもしれない状況だぞ、だからたのむ!いいからはやく!)「試合を終わらせろ!」という嘆願にも似た叫びです。

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また、MicCheck(試合中の選手のボイスチャットを紹介するLoLesports公式のいちコーナー)でも、同じ意味合いでチームメイトに向かって「End it!」を連呼している状況というのは時折見かけられます。

なので、明らかに完勝のときや、既に相手をエース済みでデスタイマーも余裕がある時などには、懇願する必要が無いので使われません。次回、接戦で解説がこう叫んでいたら、ああ解説めっちゃ盛り上がってるな!と思って見てあげると良いんじゃないかと思います。

 

BlitzEsports:CLG Darshan「NAのBo3→Bo1変更はそんなに悪くない」

最近独自コンテンツの質が高いことで個人的に注目しているBlitz Espotsチャンネルから、久々に翻訳記事書いてみます。だいたい全部拾って翻訳しましたが、細かいところはぜひ動画でチェックしてみてください。

CC(クローズドキャプション、いわゆる字幕)設定で英語を選ぶとテキストで読めるので、リーディングはいけるけどリスニングが苦手、という方なら余裕で理解できると思います。

 

個人的には「ゲーミングハウスは最適解ではない、次はオフィスを構えるべき」というのに時代の流れを感じました。

全体的にRiotに多少配慮した発言であるものの、かなり率直に話されているのではないかと思います。「Bo1でも全然変わらない」ではなく、「Bo1もそんなに悪くない」という表現なのがそれを端的に現しているかなと思います。

では以下、どうぞ。

 

youtu.be

NA LCSがBo3からBo1に変更になる点について議論が白熱しているようなので、今日は自分の立場から「そんなに悪い話ではない」という意見を話してみます。

 

Q:ステージでの経験と練習について

主要な話題は「この変更のせいで他の地域に差をつけられてしまうのではないか」だと思いますけど、結局ファンとチームが本当に上を目指していきたいと思うなら一番影響が大きいのは「練習」です。

 

実際、ステージでプレイするのは毎週3~4試合です。一方その裏ではスクリムで30~40試合をプレイしていて、実際にチームが上達するのはこの時です 。TSMがずっと強豪であり続けているのも、ここがとても上手いからだと思っています 。TSMとはスクリムでもステージでも対戦してますけど、彼らは 北アメリカのどのチームよりも練習から多くを学んでいるし、そもそも練習の水準が高いと感じています。それも、その状態を長く続けてきている。だからこそ、ステージ上での試合数よりも練習のほうが重要だと思っています。

 

もちろんLCSのステージ上でも上達しますけど、個人的にはLCSステージは「テストの場所」であって「勉強する場所」ではないと思ってます。

だからBo3からBo1になって強いチームが変わることはないでしょう。結局はどういう練習をしているか?どういうスケジュールで動いているか?毎日どこまで己の限界に挑めるか?そしてチームとしての戦力を高めていけるか?がすべてですから。それが競技におけるチームの強さです。

 

LCKは、だからこそ歴史的に見ても常に北アメリカよりも強いんだと思います。練習体制やコーチングのインフラ、その他全てが北アメリカより高い水準にあるので。韓国がBoi3だから強いみたいなシンプルな話じゃないと思ってます。

北アメリカもチームの練習体制は毎年向上し続けていると思うので、この点でもあまり心配しすぎる必要はないのかなと思います。特に来年からフランチャイズ化もありますし。

 

各チームどんどんレベルアップしていくと思いますよ。CLGもThe Madison Square Garden Companyによる支援が入り、注入されるリソースは圧倒的に増えます(訳者注:今年7月末に同社はCLGの議決権を持つだけの株式を取得した)。だから自分は練習体制の未来も、北アメリカの未来も楽観的に見ています。Bo1になるからといってこの世の終わりというわけじゃない、と。

たぶん来年が終わって振り返れば、Bo1になったけど成績は良くなったね、という結果になるんじゃないかと。

Q:練習体制を向上させるには?

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スクリムについては、北アメリカのチームが改善すべき問題がたくさんあります。 まず、LCKの多くのチームは「オフィス」を持っているんですが、今後は北アメリカのチームもその流れに乗っていくことになると思ってます。要するに、仕事と遊びを分けるということで す。細かいことに見えるかもしれませんが、この差はかなり大きい。

ゲーミングハウスで朝起きて スクリムルームに行くのと、朝起きて身支度をして車でスタジオに向かうっていうのは精神状態を切り替える上で大きな違いになるわけです 。別の環境に身を置き、より真剣に向き合うということ。そのぐらい真剣に向き合う姿勢が非常に重要だと思ってます。

 

それからアカデミーチームが実力向上してきたことも大きな要因になると思っています。チーム内での競争が促進されるだけでなく、僕らにとっては実力のあるスクリム相手ができるということですから。組織体制が安定するほどアカデミーチームの実力も上がってくるはずなので、強いスクリム相手というだけでなく、僕らの誰かが不信続きになれば入れ替えも可能になるわけです。

(訳者注:この点についてはこちらの記事でDeficio氏とYamatoCannon氏が記事中盤でも取り上げており、リンクしている箇所も多いので興味のある方はご覧ください)

Deficio (中略)でもそういうひたむきな姿勢というのは、プロに求められるものじゃないですか? LCKのプレイヤーは、いつだってScrimから余すことなく学んでいる。他のどの地域よりもね。

個人的に、従来のスポーツ、たとえばフットボールとかと比較してなんでeSportsプロはそういうことができないんだろう?って疑問に思うんですが。

YamatoCannon たとえばEcho Foxは姉妹チームを持ってて、そのチーム間でScrimしてたりします。それだと、特定の目的に絞ったトレーニングができる。全く他人のチームとでは、相手のこともありそうはできませんからね。だからこれは僕の夢ですけれど…五年後くらいには10人以上が固定でScrimできたりするといいなと。そうすれば、特定の目的に絞ったトレーニングが行えて有益だと思うんです。ただのScrimだと同じことの繰り返しになりがちですからね。

Deficio 従来のスポーツとの大きな違いのひとつは、「スタメン争い」の有無でしょうね。NFLでもフットボールでも、若い頃から技術を磨いてきて、プロに入ってからも第一戦で戦い続けられるよう努力し続ける。そうしないと、自分の代わりが後ろにわんさかいるわけですから。でもLoLでは…特に現在のEUでは、控えを抱えているチームはとても少ない。だから現実的には、選手には練習で全力を尽くし続けさせるプレッシャーがかかってないんです。だって今YamatoCannonが「お前クビにして、ソロキューから代わり見つけてくるよ?」と言うことはまずないですよね。そして仮に言ったとしても、実際に降板させられるまでには時間がかかる。だから10人ロースターってのはいいですね。「お前真面目にやらないんだったら、次回から3試合こいつミッドのスタメンにするから」って言ってスタメン争いが生じるようになれば、誰もがもっと真剣に練習に取り組むようになる。それがもしかしたら必要なのかも。「スタメン落ち」というプレッシャーが。

今話した2点は来年、数多ある練習体制の問題における2大要因になると思っています。

 

個人的には今後、LCSが真剣さを増していくのが楽しみです。 自分がデビューしたシーズン3の頃も試合はBo1でしたが、当時自分はまだ17歳だったし、チームも組織構造と呼べそうなものは何一つなかった。真剣に取り組む環境というものがなかったんですよ。

Q:「奇策」で勝ててしまう可能性について

僕はデビュー以来全てのスプリットでプレイしてきて bo 1でも bo 3でも戦ってきました。で、昨今よく聞く懸念として「奇策やLv1のプレイで試合が決まってしまって、どこが強いチームかわからなくなるのでは」というものがあります。僕個人の見解としてはLv1というのは試合でも非常に大きな要因なのに、Bo3のときですら誰も突ききってない(Abuseされ尽くしていない)ポイントだったと思ってます。

この間のSplitにおけるCLGの試合を見直してもらっても、Lv1攻勢で大きな有利を築いた試合はありました。そしてその威力はBo3シリーズでも、シリーズを勝ち切るだけの力があるものです。

結局、みんなが今までそこを「徹底的に突ききっていない」というだけで、Bo3からBo1になるからといって変わるものじゃないです。だから影響力は変わらないと思ってます。

Q:Worldsへの準備という視点からBo3を見た場合

Bo1シーズンとBo3シーズンの両方でWorldsに出場した身としては、正直そんなに差はなかったと感じています。シーズン5と6でWorldsに行った時を比較しても、Bo3シーズンのほうが「準備が整っていた」と感じた点はありませんでした。チームの実力に影響したのは韓国での合宿や練習のほうでしたね。だから自分自身の経験からすると、シーズンの試合数は国際大会での成績に大きな影響を及ぼさないと思ってます。

 

Q:率直に短所を挙げると?

Bo1では、Bo3のような「勢いや流れ」、つまりモメンタムがないです。Game 1を落としてもチームのメンタルを強く維持し、ここから盛り返すぞという気持ちの流れを体験することができない。それはBo1では得られない経験。

Bo1になったらプレイオフまで経験する機会がなく、チームによってはプレイオフに出場できない。その点は今後注視する必要があるし、純粋にBo1になることで失われるものだと思います。

それもBo1に移行する副作用ですよね。僕はもう長いことプレイしているベテランなので、精神状態の管理方法も心得ていますが、経験の浅いプレイヤーにとっては顕著に影響が出てくるところなので、彼らがしっかり精神状態を管理できるようにしていきたいし、たとえチーム全体でもそうしたいですね。

Bo5で0-1、0-2になった時、「まだ勝てるよ」と思える精神状態を作っていくのは大変です。Bo3はそんなにきつくない。0-1までしかいかないので、次の試合取り返せばいいだけですから。でもBo5は全然違う。0-2から盛り返していくぞ!という気持ちを築くのは、個人としてもチームとしても相当にしんどいことです。この点はBo1では間違いなく欠ける点ですね。

 

正直、RiotがBo1にしていく最大の理由はマーケティング、視聴数ですよね。その点は落ち込んでいるわけで。コレに対してBo1は大変有効な対策になる。ただ僕がこの動画で言いたかったのは、「Bo1って言うほど悪くないよ」ってことです。パニック起こす必要はないと思ってます。

 

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以上、Season 7は駆け込みで振り分け線を終えてSilver IIIでシーズン終了したプレイ下手くそなLYEの翻訳でお送りしました。

なお最近はShotcallingさんが超読み応えのある最新情報を定期的に上げておられるので、まだチェックされていない方はぜひご覧ください。僕は完全に落穂拾いに回ることにしましたよ...Shotcallingさんすげえ熱量だぜ...。

Deficio氏とYamatoCannon氏が語るEUのスクリム文化と将来 (あとタンクメタ)

 

僕はEU LCSの試合後にアナリストとゲストがダベるコーナーが好きなのですが、今回は僕の好きなDeficio氏とYamatoCannon氏(Vitalityコーチ、元Splyceコーチ)が面白いこと話してたので紹介します。

(動画ではこのあたりから)

てかEUでもこんな風なのか…やっぱマネー is パワーなんだなあ…

では、どうぞ。

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Q:そういえばDeficio、EUのScrim文化にちょっと言いたいことがあるとか?

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Deficio 昨日アナリストデスクにAlphariとMaxloreが来たとき言ってたんですが、2017年にもなって、Scrim始まって10分でff入ったりすると。最後までプレイするのが稀だと。時にはScrimがドタキャンされることもある。YamatoCannon、コーチ的には言いたいこともあるんじゃないですか?

というのもここまでシーンが成熟しているのだから、毎日6時間は集中してプレイするというのは選手に求められて然るべきでしょう。なぜ未だにこんな問題が起きているのか。

YamatoCannon どうなんでしょう。僕のところでは一定の基準を設けて、それに沿って動くようにしています。たとえば自軍エリスとレネクトンがタワーダイブでダブルキル食らって、取り返すためにもう一度突っ込んで再びダブルキル食らったら、事実上勝敗は決まりですよね。そういうときは、こちらからff入れるのではなく、相手に「もう投了でいいですか?それとも最後までやりますか?」と聞くとか。そういうフローをしっかり作ってますね。

Scrimのキャンセルについては相手次第というのが本当のところでしょう。「Scrimヒエラルキー」みたいなのがあるわけです。強いチームほど相手を選べますからね。僕にしても、AティアのScrim相手は下位チームよりも重視します。そのほうが成果が高いのだから仕方ない。たとえばですけどG2が10分遅刻してごめんねーと言われたら、大丈夫ですよーというしかない(笑)。そういうものですよね。

なるほど。Scrim相手に困ったりということはあるんですか? 相手としてレベルが低すぎるとか…もちろん名前を挙げる必要はないですが、そうですね…欠かすことなくScrimを続けられる「強い」対戦相手が、EUに足りているんですか?

YamatoCannon そりゃあ好みというのもありますが、僕らは4位のチームだし、贅沢は言えません。あるもので最善を尽くす。そしてキャンセルの理由も、仕方ない場合だってある。選手が階段から落ちて踵を骨折したとかね。自分のチームでも実際にそういう事態はありましたから、それは仕方ない。そして…やっちゃいけないことだと思うのですが、嘘をつく人たちもいるんですよね。「ごめん、うちの選手がコケて足折ったからキャンセルで」って言われたのに、その怪我した選手がそこらへんをアイスキャンデー食べながら歩いてたりとか(苦笑)。

Deficio 回復速いですねえ。で、EUのScrim文化は十分なレベルだと思いますか? 地域として成長していく上で。それとも、この文化が成長を阻害していると?

YamatoCannon それは自分が何を目指しているかによるんですよ。たとえば僕は、一部のコーチとはオープンに「このScrimでやりたいこと」を話します。今回ウチはこういうことを狙ってやるけれど、いいかな?と。それで先方が困る、ということであればそれを聞く。僕らが当事者中の当事者なんですから、文句を言っていても何も良くならない。結局、自分たちは自分たちのScrimに対して影響力を持っているんだから、そこからやっていかないと。

Deficio 僕がこの件に強くこだわるのは…Season 3の頃、僕やYamatoが現役でプレイしていた頃から、Scrimについてはおんなじ問題があったからなんですよ。遅刻、キャンセル、早期ff、すぐティルトする。あの頃、もっとプロフェッショナルな環境があればなって思ったからなんですよ。当時はコーチすらいなかったです(よくわからん人がひとりいただけ)。だから今ならできると思うんですよ。たとえば、Vitalityなら「今4位だけど、ここから何ができるだろう? 次のScrimで何を試すべきだろう?」って真剣に話すべきだと思うんですよ。別にVitalityに苦言を呈しているわけじゃくて単なる例だけど。

そりゃあずっとモチベーションを保つのは大変ですよ。でもそういうひたむきな姿勢というのは、プロに求められるものじゃないですか? LCKのプレイヤーは、いつだってScrimから余すことなく学んでいる。他のどの地域よりもね。

個人的に、従来のスポーツ、たとえばフットボールとかと比較してなんでeSportsプロはそういうことができないんだろう?って疑問に思うんですが。

YamatoCannon たとえばEcho Foxは姉妹チームを持ってて、そのチーム間でScrimしてたりします。それだと、特定の目的に絞ったトレーニングができる。全く他人のチームとでは、相手のこともありそうはできませんからね。だからこれは僕の夢ですけれど…五年後くらいには10人以上が固定でScrimできたりするといいなと。そうすれば、特定の目的に絞ったトレーニングが行えて有益だと思うんです。ただのScrimだと同じことの繰り返しになりがちですからね。

Deficio 従来のスポーツとの大きな違いのひとつは、「スタメン争い」の有無でしょうね。NFLでもフットボールでも、若い頃から技術を磨いてきて、プロに入ってからも第一戦で戦い続けられるよう努力し続ける。そうしないと、自分の代わりが後ろにわんさかいるわけですから。でもLoLでは…特に現在のEUでは、控えを抱えているチームはとても少ない。だから現実的には、選手には練習で全力を尽くし続けさせるプレッシャーがかかってないんです。だって今YamatoCannonが「お前クビにして、ソロキューから代わり見つけてくるよ?」と言うことはまずないですよね。そして仮に言ったとしても、実際に降板させられるまでには時間がかかる。だから10人ロースターってのはいいですね。「お前真面目にやらないんだったら、次回から3試合こいつミッドのスタメンにするから」って言ってスタメン争いが生じるようになれば、誰もがもっと真剣に練習に取り組むようになる。それがもしかしたら必要なのかも。「スタメン落ち」というプレッシャーが。

YamatoCannon 恐怖というのは動機付けとしてとても強いものです。そして自分の後ろに何人も控えていると感じるのは、自分が与えられたチャンスをしっかり噛みしめる意味でもいいことかもしれません。SKTと同じです。あのチームでは、具体的に何かは想像しかできませんが何かしらの要因でスタメンが入れ替わるわけです。以後3週間、君は補欠だ、現時点では彼のほうが上だからね、と。

Deficio そうそう。だから控えとしてソロキューからプレイヤーを引っ張ってきて揃えておくとかね。あとSKTはトレーニングラインアップがいるでしょう。Huniが「発見」されたのもそこでした。Huniはあそこで、すべての練習に全力で取り組んで実力を示そうとした。いつかSKTがそれを認めてスタメン起用することを願ってね。残念ながらそうはならず、代わりにFnaticが引き抜いたわけだけど。だから、変な言い方になるけど、本気で取り組んで、全力で勝ちと上達を目指し続ければ、それが結実する可能性は高くなり、スタメンに近づくんですよ。だから個人的にはEUはもっとプロ志望人口が増えるべきなんだと思います。NAは今着手してますよね。控えを増やしたり。あれは長期的にはとても有益な結果をもたらすかもしれない。

ではEUの次のステップは何になるんでしょう? チーム構造? 資金?

Deficio 資金でしょうね。そしてロースター増員。

じゃあYamatoCannon、今もしお金が無尽蔵にあったら、ソロキュー・CSからあの5人を引っ張ってくるって人はいますか? そしたら10人で有意義なScrimができる?

YamatoCannon 人の目星はつきます。でも人を入れるのは簡単じゃない。性格の点もあるし、ソロキューだけだと競技シーンでは未経験だったりするし。でもここからヨーロッパを強くしていくのなら、より確固たる強さを目指していくのなら、「競争」は必然でしょう。北米に目を向ければ、大学でいろんな動きがありますよね。大学間での試合を通じて露出が増えて、そこから拾われる選手が出てきたり。確かP1のZigはそうやって出てきたはず。だから競争が必要です。従来のスポーツと同じです。フットボールでもユースリーグとか大学リーグから選手を引っ張ることがありますよね。

Deficio 国別のリーグはLCS登用に耐えうるレベルになってると思いますか?

YamatoCannon もちろん。Giantsなんかはスペインリーグで活躍した選手が何人もいますよね。繰り返しになりますが、競争がしっかり起こっていけば、優れた原石が発掘される確度も高くなっていきます。

Deficio もちろん資金も大事ですけどね。一部のチームは10人と契約することが経営的に無理だったりしますからね。ゲーミングハウスも大きくしなくちゃいけないし人も足りない。でも、もし資金があればスタッフも増やせるし、10人で競争のなかきっちりScrimできるとしたら、やっぱりみんなやると思うんですよ。だからチームの向上につながるとわかっていても、先立つものがないとね。

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以上でっす。

どんどん「プロスポーツ」として成熟していく一方で、資金とのバランスという問題も出てくる。お金はシーンの盛り上がりがないと湧いてこないが、盛り上がるには実力がいる。鶏が先か卵が先かってのが一見華やかに見えるEUでもまだまだ根深いというのが驚きでした。

あと、面白かったのでオマケ。UOLはプレイオフ、そしてその先を見据えてドラフトしているのだ(震え声)

おまけ:タンクメタとEUのチーム構成について

Deficio まだ各チームカウンターピックを見つけてないので難しところもあるけれど、Early game comp (序盤に強いスノーボール型構成)、たとえばエリスとかレネクトンは「対面に来たチョ=ガスを腐らせる」ことができればいい対策だと思う。ただ問題は、この構成だと中盤~終盤をほぼ完ぺきにこなして、タンクに仕事をさせないで勝ち切らなければいけないところ。なんと言っても、タンク相手に終盤の集団戦で勝たなくてはいけないんですからね。

今言えるのは、ほとんどの西洋チーム(ここではEUとNA)はExecution(作戦遂行)精度が足りないだろうということ。だからこそ、皆集団戦特化型に収束して、「どちらが集団戦強いか」の勝負に持ち込んでいる。そのほうがリスクを抑えられますからね。

YamatoCannon それからタンクがパワースパイクを迎えるのはだいたいバロンが出現する時間帯なんですよね。出現より早い場合もありますが、だいたい20~25分時点で一番強い。ADCがアイテム3つ揃えてタンクを溶かし始める前の時間帯。4つ目にラストウィスパー積まれる前。だからこそ、最初のバロンを先に取ったチームが勝つ確率が高いわけで。

今日の試合でもコグ=マウがピックされてましたが(FNC vs UOL 第3試合、UOLがピックして敗北)、あれもいい策だと思います。遠くから火力を出せる。でも味方がレネクトン、タロン、セジュアニじゃ誰も守ってくれないですよね。

Deficio あれは実にLPLって感じでしたね。3人がスノーボール狙い、コグ=マウはひたすらファーム。でもまさにそういうことなんですよ。Executionが非常に難しい。UOLは特に、序盤が苦手なチームですからね。

今後はタンク対策ということでトランドルサポートが戻ってくる可能性もあります。氷柱がビジョンを取れなくなったのはサポートとしては痛いNerfでしたが、それでもULTは強いですから。それからケイン。タンク変身してブラッククリーバー積んで、といけばULTの性能もあってタンク相手に有利にいけると思います。ただいずれにしてもやはりExecutionが難しい。しかも、それをScrimじゃなくステージ上でやらなくちゃいけないんですからね。

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 以上最近UOLストアでTシャツとステッカーを買ったLYEがお届けしました。

送料1000円位なのでおすすめだよ!

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Rekklesのケネンはどうして強いのか?Deficio氏の分析

昨日ちょっとおもしろい動画が上がってたので久しぶりにざっくり翻訳してみました。なるほどなー。

では以下、どうぞ。お楽しみいただければ幸いです。 

 

ケネンピックした試合では何度となく勝利をもぎ取るRekkles。
今週の「Post Game Lobby」コーナーでは、その強さをチャンピオン自体と彼というプレイヤーの両面から見てみたい。

ケネンの長所と短所

長所

  • 1v1の強さ:バーストダメージとCC
  • 王剣との相性が完ぺき
  • 機動力が高くピールも自分でできる

短所

  • 後半戦においては信頼できるダメージ源になれない
  • リードしていないと1v1性能が発揮できない
  • ミニオン処理スキルがない 

※この場合の「ミニオン処理=Wave Clear」は、タワー防衛時に後方からまとめて処理する能力。ケイトリン、ヴァルス、シヴィアなどは非常に高い

「Rekklesの」ケネンが強い理由

3つの要素がある。

1:ドラフト

FnaticはRekklesがケネンの強みを最大限に活かせるようスプリットプッシュ「できる」ドラフトをする。

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  • トップ:ガリオやシェンなど、サイドレーンにいるRekklesをすぐ支援できるスキルを持つチャンピオン
  • ジャングル:集団戦では強みがないものの、ピック性能が高いエリス、カ=ジックス、リー・シンなど
  • ミッド:まずはミニオン処理能力の高さ。TP持ちルブラン、コーキ、オレリオン・ソル
  • サポート:CCとローム性能の高さ。スレッシュやカミールなど。Rekklesがピックを狙いに行く時に支援できる。また、サポートのマップ予測も素晴らしい。必要な時にそこにいる。

これらすべてがRekkles x ケネンを支えている。「後半の集団戦で勝たなくては試合を決められない」という条件を無効にする戦略。

2:スプリットプッシュ

EU LCSのプロ選手に話を聞いたところ、誰もが認めたのが「サイドレーンでRekklesと1v1はやりたくない」ということ。
ミニオンウェーブの操作が巧みで、マップの理解も強い。いつ押すか、いつ引くかがとにかく上手。
それに加えてトップSoazとのシナジーもある。

もちろんスプリットプッシュだけで全試合を勝つことはできないので、最後の要素が重要になる。

3:集団戦スキル

過去には腰が引けていると評されたこともあったものの、今は違う。
また多くのケネンADCプレイヤーがフラッシュULTで突っ込んでダメージも出せずにデッドするのに対し、Rekklesはひたすら距離を取ってハリケーンを当て続け、ここぞというタイミングが来たらULTで飛び込んでいく。


以上が、Rekklesのケネンが強い理由だと考える。

通常ケネンの強い時間帯はバーストとCCが一番活きる中盤にスプリットプッシュしている時。それを支えるドラフトがあり、ミニオンウェーブの操作力とマップ認識力の高さがあり、そして正しいタイミングで飛び込む集団戦のスキルがある。だからこそ強い。

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※「Rekklesのチャンピオンプール」としてTwitterに投稿されたネタ画像

他地域のリーグでも「真似して」ADCとしてピックされることもあるが、「元祖」は彼といって差し支えないだろう。

そして「EUで唯一ADCケネンをプレイすることが許された男」であるのもそのためなのだ。

※Deficio氏はよく実況席でこれを口にして全員に突っ込まれるため、あえて最後にぶっこんできた模様。下の顔で断言。

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以上、翻訳LYEでお送りしました。

 

MSI 2017メタ 解説拾い&勝手まとめ翻訳

MSI、めっちゃ盛り上がってますねー。

毎年国際大会となると、「普段対戦しないチームが何度も、同じパッチで」対戦するためにいわゆる大会メタみたいなものが進化していきますが、今回はこれをちょっといくつか解説のセリフを解釈したものを書き散らしてみようと思います。観戦の助けになれば幸いです。

チーム編成

全部の編成がこれらに収まるわけではなく、また複数の属性を混ぜた編成もあるわけですが、だいたいこんな感じになっていると思います。

Protect ADC編成

今回のパッチ7.8において、カルマ・ルル・アイバーン・オリアナなどのシールド/リデンプション重ねができるチャンピオンと後半戦でハイパーキャリーになるADCの組み合わせで「とにかくADC守りきって火力でぶっ殺す」という編成が見られるようになっています。特にルル(あとカルマも)は早めにピックするとFlex Pick(フレックスピック、複数のレーンに行けるピック)できるため重要視されています。

ただココのところの試合を見ていると、Banでルル・カルマを開けて相手の構成を誘導し、それに対策をぶつけるところもあるみたいですが、基本的にはどこもできればルル・カルマ両方は取らせたくない、という感じで進んでいます。

ただしMidレーナーがルルを得意としていないチームではこの作戦が取れないため、逆にしんどいようでもあります。

なお、この編成は自動的にADCが火力を出せるようになる終盤戦でこそ生きるため、序盤で負けるとかなりしんどくなります。ただひっくり返して勝利する試合もあるので(Group Stage Day 5 TSM vs G2はシールドによるProtectではなくブラッドサースターと適切なピール、あとZven選手のナイスプレイによるものですが)、ADCにすべてを賭けるというのは後半への保険という意味でも強そうです。

youtu.be

Deficio氏「G2 put all the eggs in Zven's basket」(G2はZvenにすべてを託した)なんて表現もされていました。G2の勝利におけるZven選手の活躍は観戦された方ならご存知のとおりですね。

Hard Engage編成

とにかく後衛ぶっ殺すメンとしてアサシンやダイバーなどがピックされる構成です。解説いわく(というかお気づきの通り)、序盤でしっかり有利を作れないと突っ込んでも倒しきれないという何もできないチームになりがちなので(GAMなどはこれで負けることも多かった)、ExecuteがDifficultだよね(ルー語訳:作戦としては良いけど、それを正しく遂行するのが難しいよね)という評価が多いです。

Deficio氏(あとDyrus元選手もこないだ自分の配信時に言ってた)が「LoLは完ぺきにプレイすることはできないので、相手の失敗をいかに突くかのゲームである」というふうに言われていました。ハイレベルになるほどExecute(作成遂行)が難しい編成と言えそうです。

Siege編成

アイバーンなどタワー攻略に向いたチャンピオン、ゾーニングが可能なメイジ(サポザイラも含む)、ポークが強い、遠距離通常攻撃でタワーを攻撃できるチャンピオンなどの編成で、集団戦で勝たなくてもタワーがボキボキ折れる構成です。特にアイバーンはマッチアップ次第で序盤のカウンタージャングルも強力になるため、序盤にも生きることなどが効果的なようです。と聞きかじりましたが、この構成にするチームはそう多くないのであまり記憶に残ってないです。サーセン

1-3-1編成

サイドレーンを任せられるチャンピオン2人をピックして3レーン同時に押す編成ですが、ハイレベルの試合になると一瞬のミスが命取りになるのでExecutionが非常に難しい、と言われていました。劣勢だとそもそも1-3-1が展開できないというのも大きな理由だと思います。

 

それから特定の編成以外では、今年のMSIでは序盤でがっつりスノーボールすることが非常に重要だ、そのために編成も考える必要がある、という話が何度か出ていた点も紹介しておきます。完ぺきに作戦遂行すればProtect ADCの火力がヤバイ、というのは前提としてありますが、それをシャットダウンする意味でも序盤が大事なのかなと。

チャンピオンピック数(Ban数は考慮しませんでした)

免責事項:話を色々聞いた限りでLYEがまとめたものなので、以下のように明示的に言われていたわけではありません。また、当然チーム編成によって求められる役割が変わるので全部Sにすれば強いというわけではありません。

またBan数を考慮しなかったのは、Flex Pickチャンピオンの数が多くなるのを避けるためです。

データはこちらを参考にしました

Top

S シェン(9) ランブル(8) ガリオ(8) グラガス(7)

A ケネン(5) ノーチラス(5) フィズ(4) クレッド(4)

ガリオとシェン、(それから部分的にはクレッド)はサイドレーンからミッドへの移動が容易である点とタンクとしての安定性が評価されてのもののようです。

ガリオはミッドとのFlex Pickになる点、ミニオン処理能力の高さも評価されています。ドランリングx3で後衛ミニオンをQ一発でクリアできるようになるなど、スムースなローテーションが見せられるのがポイントのようでした。またGAMはHard Engage編成にガリオを組み込んで、後衛に突っ込んだアサシンに合わせてULTを打つなどの使われ方が出ていました。このアグレッシブな使い方はGAMが対G2戦でも使っていましたが「機能させるのは難しいハズの構成なのに、失敗したことなど考えないのがGAM流か」と言われていました。

ランブルはランブルの仕事をすると強いよねという話。

グラガスはレーンで押し込まれないミニオン処理能力とCC、ULTのピックポテンシャルが評価されています。

Jungle

S グレイブス(17) リー・シン(16)

A カジックス(7) エリス(5) アイバーン(5)

基本的にはリー・シンとグレイブスの取り合いになっていましたが、選手によって一方が圧倒的に得意であることが多く、そちらを取らせないためにBanされたり、先に取られたりすることが多いようです。

アイバーンは適切な状況下でのカウンタージャングル能力とタワー攻略時のデイジーの存在感、そして何よりもシールド+リデンプションの回復の厚さが評価されています。また特定の選手が得意としていることが知られており、ターゲットBanの対象になることも多いようです。たとえば対TSM戦ではかなり頻繁にBanされていました。

カジックスは特定の選手(GAM Levi選手など)が得意としていること、1-3-1中やローテーション中に相手を捕まえてのタイマンに強いことが要因か。

エリスは後半で失速するものの序盤のCocoonによるギャンク性能が特に評価されています。ただ後半の失速が手痛いため、編成による、とも。

Mid

S シンドラ(11) オリアナ(9) レブロン(6) 

A アーリ(6) タリヤ(6) ライズ(6) フィズ(4) 

シンドラはレーンを押せてULTで倒しきれる火力が出てCCもある点が評価されているようです。ただ相手に厚いシールドなどがあり一発で落としきれない状態になるとつらいよねという話もありました。カウンターとしてULTでULTを無効化できるエコーが上がっていました。ゼドも無効化できますがこちらはスキルマッチアップ(性能差ではなく技術勝負)になるという評価。
オリアナは強烈なカウンターがなくブラインドで出せる点が評価されているようです。

A Tierに並べたチャンピオンも基本的にレーンが押せること(フィズはちょっと特殊ですが)、1-3-1になった時にソロレーンに行けることが重視されている様子。この場合ソロレーンに行ける条件は「タイマンで負けない」「他レーンにすぐ合流できる」「逃げスキルがある」などのようです。

フィズはトップとのFlex Pickになる点も重要視される要因の模様。

またタリヤはタワー攻略時に敵タワーの後ろにULTを敷いて敵が近づけないようにするという使い方(FWのMaple選手が何度も見事なプレイを決めていました)が有効と見られているようです。

ADC

S:アッシュ(15) ヴァルス (11) ケイトリン(8) 

A:トゥイッチ(8) コグ=マウ(4) ジグス(3)

レーンを押されないチャンピオンが強いという評価のようです。またアッシュ(とケイトリン)はレーンを押し込まれない、終盤のスケールも圧倒的、という点が評価につながっている模様。ケイトリンが空いていてヴァルスピックした時は好み?という意見もありました。A TierのADCはS Tierがピックできない時くらいしか使われないくらいの状態のようです。また、序盤の有利が試合を決めることが多いことから、アッシュはULTによるピックのポテンシャルも評価されている様子。ヴァルスの評価が高いのもこのあたりか。

ジグスはピックした試合を見る限り、序盤ではマナの関係で押し込まれるケースが多いこと、またチーム編成でMidやJglに物理ダメージのキャリーが必要になることなどから運用が難しいよね、という話になっていました。相手がシンドラ→こちらジグス→こちらゼドという流れは数回見ましたが、この場合Midは「シンドラとゼドはスキルマッチアップ(性能的には互角)」という評価が一般的な模様。

またビルドですが、試合によってハリケーンより前にファントムダンサーを積むケースが見られました。これは相手のアサシンに即殺されることを防ぐ狙いと、そもそも戦線が伸びることを想定し、ハリケーンで複数同時攻撃があまり起きないことを前提としている場合に積まれるようです。

Support

S カルマ(11) ルル (11)

A タム・ケンチ(8) ザイラ (6) ナミ(5)

B ブラウム(5) マルザハール(4)

ADCを守るシールドがあり、レーン戦に強く、プッシュもできる2人がS Tier扱いの様子。タム・ケンチはカルマ/ルルが取れない場合によく使われていますが、ソロレーンで一気に人数差を作れるULTと丸呑みによるキャリー保護能力も構成によっては強力となるため、編成によってはカルマ・ルルよりも優先されることも時折見受けられました。

ブラウムは固有スキルからのスタンがキルプレッシャーになることと盾の固さによるところの様子。

マルザハールはピック能力はもちろん、彼がいるだけで相手にQSSを買わせたり、相手のチーム編成を誘導したり(タム・ケンチを相手に取らせる)できる点が買われている様子。

その他言われていたこと

GAMが何度かレーンスワップ(トップとボットが入れ替わること)を繰り出していたことが話題に登っていました。ただ以前と違ってボットタワーが柔らかくなっているので、タワー交換のためではない点がポイントだとのこと。基本的にトップが2v1でも押し込まれないチャンピオンの時に行われ (主にガリオ)、トップで不意をついてキルを取り、そのままトップタワーを削って通常配置に戻ることでボットのタワーを相当削られる代わりにファーストブラッドを取る、という使われ方をしているようです。

実際にキルを挙げたあとでも、「正直効果としては微妙」という評価の人もいました。その後ボットを押し込まれたらタワーを折られてファーストタワーボーナスを取られてしまう上、経験値的にも不利になることが多いためです。

「対面相手が顔を出すまではどのスキルにポイントを振るかは決めない」というのを徹底していないと、やすやすとファーストブラッドを取られてしまうよ、という話も出てました。ただ総合評価を見る限り、たぶん この大会で今後使われることは少ないと思います。

以上、またへーと思ったら適当に書き足したいと思います。以上LYEでした。

 

それにしてもGroup Stage Day 5 TSM vs G2 の試合はすごかった!(↓画像ネタバレ注意)。

見てない人ぜひ

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すごくいい試合だったと思います。