LYE の League of Legends メモ

League of Legends プロリーグ LCS の解説を翻訳したり、同作や MOBA ジャンルで使われる英語を説明したりする予定。

私見:Eyes on WorldsとK/DAに見る変化について


国際大会のドキュメンタリー?

ライアットはここ3、4年ほど国際大会、特にWorlds開催のたびにプレイヤーやチームにフォーカスしたドキュメンタリー動画を制作してきました。どれも非常に良いデキで、最近は日本語字幕付きで公開されるようになったことから楽しみにしている人も多いのではないかと思います。

今年の「Eyes on Worlds 2018」もWadid選手のEp 1で感動した人、あるいはEp 2でBwipo選手がC9をディスっているシーンを見てガチギレしたC9ファンも多かったのではないでしょうか。

公式動画の呪い

一方でこの一連の動画たち、紹介されたプレイヤーのいるチームが敗退する結果を見て「公式動画の呪い」などと言われることもあります。

今年はもちろんとして、フィーチャーされたのにWorlds出場を逃したRekkles回、結局ほとんど出場機会に恵まれなかったChawyなど思い出すだけでもポンポン出てきます。

もちろんそれは都市伝説でありジンクスなのですが、たとえばアメフトリーグNFLを題材にしたゲーム「Madden NFL」でも最新版の表紙になったプレイヤーは不調になる「Maddenの呪い」というものが囁かれたりしていました。長い歴史の中ではゲームの発売と時期を同じくしてシーズンを棒に振る怪我をした選手が数人いるほどで、本気で呪術の存在を信じかけるレベルでした。それもMadden NFL 2018で超スター選手Tom Bradyが呪いを笑い飛ばすかのように活躍するまでの話ではありましたが。

アプローチの変化

いずれにせよ、そしてMaddenのカバーほどではないにせよ、これから結果が出る事柄に対してドキュメンタリーを先出しするというのはなかなかリスキーな行為です。そしてRiotはそれを認識したのか、今年のWorldsから少し異なるアプローチを取っています。

今までのように「これからの活躍を期待したい選手の人生を追いかける」のではなく「あの激戦の舞台裏はどうだったのか、選手の人生の軌跡を追いかける」ようになってたのです。

たとえばWadid選手を取り上げたEp 1は準々決勝でRNGと対戦した後に公開され、その戦いに込められていた意味が紹介されました。Fnaticの場合は欧米勢の雌雄を決する対C9戦を圧勝した後に動画が公開されています。

だから?

フーン、だから?と思うじゃないですか。でも、ちょっと考えてみるとかなり大変なハズなんです(それでもフーンと思う人が大多数なのは承知の上で進めます)。

 

結果が出てすぐにリリースしているので、これまでのように「コイツ追いかけよう、ドラマあるし!」と事前に決めて取材するわけにはいかないのです。この2チームの対戦をEyes Onで取り上げよう!と思ったら、両方のチームをインタビューし、その生き様を動画で撮影し、B-roll(間にぶち込むそれっぽい映像)も両方撮っておき、勝敗が着いてから一方のストーリーを組み上げてすぐに完成させ、翌週にはリリースする、と。


社会人の方だったら、仕事がそんなふうに振ってくるの想像するだけで変な汗が出そうです。

これまでなら今日はエビフライ定食を作る!と決めてただエビフライ定食を作ればよかった。それでも相当な労力と技術が投入されているわけですけど。

でも今年は、エビフライ定食または生姜焼き定食どちらの注文が入るかギリギリまで分からないけど注文入ったら即提供してね、くらいの厳しさはあったと思うんです。

音楽やB-rollなどは共有可能なものがあるでしょうけど、それを速攻で(あるいはある種即興で)きちんとした物語として完成度を高めていく必要があるわけで、かなり離れ業だったんじゃないかなと思ってます。

これまでは観戦の動機付けコンテンツだったのが、ある程度まで観戦したこと前提のコンテンツに変化した、とも言えるでしょう。

ターゲットが変わった?

僕も途中まではなるほど賢いムーブだけど大変だね、と思っていたのですが、ふと思い浮かんだことがあります。これって想定視聴者が変わっているよな、という点です。

要するに、「知らない選手かもしれないけど、こんなドラマがあるから応援してよね!」というご新規さんに優しいアプローチから、「はい皆さん名前はご存知でしょうけど○○さんの紹介です、先日の激戦の裏ではこんなことがあったんですよ」という常連さん向けアプローチへの変化です。

もちろん反証として「でも勝者をフィーチャーしているから次の試合で応援する上ではご新規さんの役に立っている」は思いっきり成立します。しかし興行に関係する動画制作において、視聴動機を高められる要因を減らす判断なので、やはり半分くらいはターゲットが「常連さん」に向き始めたのではないかと考えるわけです。

僕はRiot社内で、少なくとも英語圏ではこのシリーズのターゲット層を常連さんにしたんじゃないかなと思っています。言い方を変えれば「もはや視聴者層はある程度定着している」と判断した、と(何度も繰り返しますが全部推測です)。

K/DAの存在

そして今年はサプライズとしてK-POPユニットK/DAがデビューしました。ものすごく盛り上がっていますよね。

個人的に、今年のWorldsはドキュメンタリーで常連さんに特化した物を作りつつ、ざっくり追っかけているファンにはK/DAで訴求する作戦だったのかな、と思ってます。

上手やな…。

結び

もし僕の想像が正しければ、今後のドキュメンタリーシリーズも同様の手順を踏襲しつつ(次回はEyes on MSIか)、大会合わせでeSportsとは直接関係のないサプライズ(もちろんWorlds以外は今回ほどの規模ではないにせよ)を何かしら展開していくのではないかなと思っています。

そして今まではご新規さんと常連さんの両方をドキュメンタリー動画ひとつで対処しようとしていた姿勢から、二本柱にシフトさせていくのかなと。

他のメーカーと違ってコンベンションを開かない分、そういう形で全方位的な配慮をすると判断したのかもしれない、というのはちょっと穿った見方かもしれませんが。

もしそうなったら、ぜひもっと尖った、ご新規さんを今よりも少し置いていってでも深いコンテンツを期待したいですね。個人的には日本ファンはとても練度が高い(初心者・カジュアル層が全然足りていないとも言う)と思うので、この傾向は歓迎されやすいんじゃないかと思います。

あとは我々が、WorldsグループステージのインタビューでTusiN選手が言ってくれたように、「日本のLoLシーンを応援して」いきつつ、日々ランクを回すなり、観戦勢としてワイワイ応援していくのが良いのかなと。

そして願わくばもっとご新規さんが増えてくれますように。

蛇足

Riotという会社は今年、各種大会の会場規模を小さくしたり、アナリストデスク・MVP・リプレイコーナーのネーミングライトをスポンサーに提供したりと、サステイナビリティ(持続可能性、要するに赤字バンバンで続けなくても継続できる体制)を重視した方針を打ってきていると思っていて、それは時流・興行規模・シーンの健全性のすべてにおいて大変喜ばしいことだと考えています。

そして、同時にコミュニティとのコミュニケーションのとり方も変わっていくのだろうと思っています。

Ask RiotにせよNexus Webサイトにせよ、ライアットはもともと他の会社と比べて「情報はすべてのプレイヤーが一元的に見られるようにするべき」という姿勢が強い会社だと個人的に思っているのですが、今後はこれを「直接イベントに参加してくれた人だけが得られるのはその場の熱気と空気感」のみ、それ以外はネットで視聴する人たちが満喫できるようフルコミットしていくという流れを作っていくのかなと。

そうすると、今年のAll-Starにコミュニティの著名人を招く発表があったのも頷けます。お祭り部分ではご新規さんが楽しみやすいよう配慮を、常連さんにはお祭りならではのドリームマッチを提供しよう、ということです。昨年までは、プロ選手にお祭りをすべて任せていたため、どっちつかずになってしまっていた部分もあるのではないかと。

 

一元化による効率化というと仕事の経験から苦い顔をしたくなる人も多いと思いますが(僕もそうです)、これは筋が良いやり方に見えます。すべてがうまく機能して、今まで以上に盛り上がっていくLoLシーンに期待したいところです。

なお再三申し上げておりますがこれはすべて僕の想像であり何の裏も取れていません。ぜんぶ多分の話です。

 

そして何でこんな想像をこんな長文で書いたのか、書き上げた今となっては動機が思い出せません。Riotがんばってるなー、考えてるな―、試行錯誤して新しいことトライしてるなーと思ったから応援したかったのかな。現場からは以上です。

 

追伸:今日振り分け戦が終わり、3年連続シルバーIIでした。お疲れ様です。

Worldsグループステージで対面したプレイヤーの印象(雑記)

こんにちは、最高のWorldsが進行中ですが皆様のピッケムはいかがでしょうか。

釜山取材からちょうど1週間前に韓国から帰国して(Quarterfinalは取材してません)、明日はいよいよ準決勝なので、仕事の息抜きに少しだけ出場選手(および敗退したチームの選手)とインタビューでお会いしたときの雑感をまとめてみたいと思います。

※ 写真クレジット:ハリー

FNC Hylissang選手

【『LoL』世界大会2018現地レポート】FNC Hylissang選手「中国とヨーロッパが二強だと思う。Fnaticが決勝に進む可能性は十分にある」 | ALIENWAREZONE | PCゲームで勝ち抜くためのメディア

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UoL時代からずっとファンで、僕をEU LCS沼に引きずり込んでくれた張本人と対面できました。「この出張マジWORTH」と思いました。

プレイスタイルのせいでもっとオラオラした感じなのかと思いきや、物静かで紳士的・知的な青年、という印象。インタビューしたのはFNCがiGとのタイブレーカーを戦い抜いた直後、つまりグループステージで一番疲れている時だったのですが、インタビューの質問に対する回答も鋭く、頭の回転の速さがよく伝わってきました。そしてその物腰を目前にした後の僕は、もう彼の敬称として「王子」しか使えなくなりました。Hylissang王子!

ちなみに今大会であまり歯を見せて笑わないのは、今歯の矯正中だからみたいです。あとちょっと猫背だったのもくっそキュートでした。取材班にもうひとり王子のファンが居たため、インタビュー終了後は #推しが尊すぎて溶ける というハッシュタグが生まれました。

G2 Jankos選手

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同じくグループステージ突破が決まった直後にインタビューすることができたJankos選手。インタビュー記事では「Mic Checkが面白い」というノリで話していましたが、僕が本当に彼のことを好きになったのはMic Checkで時折見せるリーダーシップゆえでした。チームが必要としている言葉を試合前に投げかけられるジャングラーって格好良くないですか。

インタビューブースに現れた彼は想像以上にスラリと背が高く、物腰も柔らか。公式インタビューと同じ明るくも明快な口調で語ってくれました。インタビュー慣れもしていてプロ意識も素晴らしく、写真をとる時などは「シリアスなほうがいい?楽しそうな方がいい?」と自ら提案してくれるほど。

質問内容についても実に切れ味鋭い回答をくれ、ちょっと好き、くらいだったのがめっちゃ応援する、頑張れ!という気持ちに変化しました。プロとして、職業ゲーマーとしてかくあるべし!を体現したかのようなお姿。尊い

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以下は、グループステージ~準々決勝で敗退してしまった選手のインタビュ―時の印象と、選手以外の方の印象です。

RNG Xiaohu選手

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肉食獣、という感じのすさまじいオーラが漂っていました。子虎ってうそやん、大虎やんと思いました。Legends Risingで見ていた儚げな少年はソコにはおらず、マジで油断したら死ぬ、という感じのオーラ。自信もたっぷりという印象。しかしインタビュー回答時には時折シリアスな顔になるほど真剣に取り組んでくれました。

ちなみにRNGは全員中国メディアからのインタビュー依頼が殺到していて、僕らの前にも相当な数のインタビューをこなしていたのですが、自身には影響ほぼゼロのはずの日本語メディアのインタビューにまで応じてくださいました。

あんな対応されたらファンにならざるを得ないですよ。来年も待ってる。加油

AFs TusiN選手

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「日本にはLCKを見ている人も多いので、最後に日本のファンに一言!」と振ったら、「以前チームに来たことのあるEnty選手とは今でも時々連絡を取り合っているんですよ。いつも応援ありがとうございます。そしてこれからも日本のLoLシーンをサポートしてくださいね」って答えてくれたんです。試合後でクッソ疲れてる中、どこの馬の骨ともわからない日本のメディアに、これですよ。

彼は聖人です。みんな応援しましょう。少なくとも僕は、次シーズンから彼のいるチームを無条件に応援します。

AFs Kiin選手

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どこかアイドルっぽさがあるなあ、はにかんだ顔とか可愛らしいなあとか、おっさん目線では朗らかな選手、という印象だったのですが、翌日以降の試合で大キャリーして大暴れしているのを見て、こんなアグレッシブな人だったの…???よく五体満足でインタビュールーム出られたな俺と思いました。LCKの選手はインタビュー慣れしている人が多いのかなと思わされた人でした。お肌がめちゃんこ綺麗でした。

KT Ucal選手

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KT Ucal選手。お会いしてみると、凄く物静かな青年で、とても慎ましいというか、今回インタビューした中では一番「ふつうの男の子」感が強い選手だったように思います。

しかし、謙虚、物腰柔らか、たとえ外国語でも、話している相手の声にしっかり耳を傾けるなど、ここにもプロアスリートに通じるものはすべて備えておられたので、このあたりチームでしっかりトレーニングしてるんだろうなあ…などと思いました。

PVB BigKoro選手

【『LoL』世界大会2018現地レポート】PVB BigKoro選手「今大会で戦ってみて、強い地域は中国・韓国・ヨーロッパだと感じた」 | ALIENWAREZONE | PCゲームで勝ち抜くためのメディア

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残念ながら敗退してしまったベトナム代表PVBのADC BigKoro選手は、敗退決定直後ながらインタビューに応じていただけました。スラリとしたベトナムのイケメンど真ん中という感じの彼ですが、その言動にはしっかりと芯があり、物怖じしない正確なんだなというのがひしひしと伝わってくる感じ。

ベトナムはファンも多くメディア露出も多いからかインタビューもとても慣れているみたいで、次こそはもっとやってやる、という気持ちを実にプロらしく示してくださいました。ちなみにベトナムからはるばる応援に駆けつけたファンも数ダース単位でおり、帰りはバスを見送る「出待ち」ファンで付近が混雑するほど。しかも!疲れているはずなのにそこでもファンサービスしてて君らそのバイタリティはどこから出てくるの!凄い!となりました。

ベトナムの人って、個人的に親近感を感じていて(民族的に近いからかもしれない)、また一人応援したい選手が増えた夜でした。

100T AnDa選手

【『LoL』世界大会2018現地レポート】100T AnDa選手「今大会での自身の評価は65点くらい。プレッシャーを感じたのは初戦だけ」 | ALIENWAREZONE | PCゲームで勝ち抜くためのメディア

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同じく敗退が決まった直後にも拘わらず取材を受けてくれたAnDa選手。自分自身が納得できるデキではなかったようで、かなり落ち込んでいる様子でした。「Worldsに来るまで知らなかった(ゲーム内の)あることがあって、それを知っていたらもっとうまくやれたのに…」と素直な気持ちを語ってくれました。初Worldsだったので、次があればきっとやってくれるはず。

オフに日本に来ると言っていたので、もう来ているのかしら。おすすめスポットがあったら 下からツイートしてあげてください!AnDa!AnDa!

twitter.com

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以下、選手以外でお会いした著名人・選手の方。

Travis Gafford氏

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欧米LoL シーンにおける重鎮的ジャーナリストさん。Rekkles選手が唯一インタビューを受ける人としても有名。取材班全員が氏を知っていて、プレスルームにフラーっと入ってきた時は全員が声を荒らげない範囲で「うおおおおぁsdf:あえdhjr」なっていました。僕が話しかけると、「インタビュー?ワイを?ええけどタダのおっさんやで」みたいな感じで快諾。こうしてインタビューに至りました。フリーランスというスタンスが気に入ってらっしゃるらしく、非常に自由に活動されていました。それはインタビューの最中も同様で、実に自由に、自分の好きなことを全力でやっている姿には敬意を超えた何かを感じました。撮影してくれたハリーさんのTweetが一番それを物語っているかも。

 

Ovilee May氏

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NA LCSの顔として今年から活躍しているOvilee氏。Travis氏のインタビューの後で、「君ら日本から来たならOvileeと話したほうがええで。あの子めっちゃ日本マニアやし。絶対話盛り上がるわ―、紹介したるからちょっと待っとき」とメッセージしてくれ、インタビューが実現。

エキセントリックとチャーミングを足して2で割らないタイプの人で、いつだって話足りない!という感じの人でした。一方で自分の仕事を「夢のような仕事」と言い、選手とファンの両方を慮る情熱と知性を持ち合わせた人。こういう人を見つけてくるRiotは凄いな、と思わされるくらい稀有な人物だと思う。

WildTurtle選手

プレスルームで一番目立っていた人。ある日は蝶ネクタイ、ある日はFizzワンジーと衣装でも目立ってた。話しかけたら、ええよええよとインタビュー快諾、自分のクルーとも仲よさげにコンテンツ制作をしており、その一方では旅の目的でもある「NAに足りないのはなにか」を探る上では現役プロとして鋭い眼光になることも。基本的に日本大好きみたいなので、日本のファンは積極的に話しかけてみるのも良いのではないだろうか。

 

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これ以外にも、惜しくも敗退したVitalityの面々が関係者入り口で結果を噛み締めている様子(僕はKikis選手に、敬意を込めて敬礼してきました。声をかけるのは不適切だと思ったけど、最大限の敬意を示したかったので)を見たり、帰国する便に乗る前にコーヒー買おうと思ったら前に並んでいるのがDoubleLift選手だったなど(NA LCSで貴方が一番好きです。来年もご武運をと伝えました)、非公式な偶然にも恵まれる旅でした。

総じて言えることは、僕がWildTurtle氏にインタビューする時緊張していると伝えたら返してくれた一言、「みんな人間だから変わんねえよ」に尽きるのかなと。みんな人間で、たまたまリーグ・オブ・レジェンドというゲームに真摯に向き合っていて、そこが勝ち負けがついてしまう世界で、だから感情が揺さぶられる。だから支える人が出てくる。このボトムアップな空気を吸えただけで、僕は今回の取材旅行は大収穫だと思いました。GLFH!

Worldsグループステージで選手インタビューやってます(Alienware Zone掲載)

というわけでグループステージに途中から現地入りして、激戦直後のプロプレイヤーの皆さんに(短いですが)インタビューさせてもらっています。

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みんな本当に消耗しきっているはずなのに快く対応してくれて、真摯な回答をしてくれるのがとにかく…驚異的としか言いようがない。語彙力が死ぬというか、鳥肌が立つというか、全員のファンになってしまうというか…

一方、Worldsがどんな大会なのかをかなり突っ込んで話してくれる選手も多く読み物として、観戦のお供にもなるかと思います。

今日明日もできる限りテキストベース+日本ファンへのコメント動画形式で上げていくと思うのでよろしくです。

え、インタビューした相手ですか?

たとえば優勝候補RNGのミッドレーナーXiaohu子虎選手(王者感すごかった)。

alienwarezone.jp

 

そして昨日敗退してしまったPVBのADC BigKoro選手(めっちゃ爽やか)のインタビュー。

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形式としてはこんな感じで、インタビュー通訳→文字起こし→日本語発信をできるだけタイムリーにやってAlienware Zoneでゴリゴリテキスト上げていくのでぜひお見逃しなくー!

 

ちなみに更新状況はTwitter @alienwarezone でチェックできます。

 

よろしくです。

Worlds 2018 Group Stage観戦記 Day3

大変ご無沙汰しております。LYEです。

今年はラッキーなことに、Alienware Zoneさんのお手伝いで韓国・釜山で開催されているWorlds Group Stageに来ております。今回は解説・インタビューの翻訳などではなく、個人的なざっくりとした記録を(この熱が体に残っているうちに)残しておこうと思います。

 

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釜山入りはDay 3まっただなかの金曜日。会場であるBEXCOは空港から電車・車で1時間程度の場所にあり、僕は午後の便で着いたので試合開始時間くらいに会場着、とりあえずバッジを入手しに向かいました。そこでちょっとした待ち時間が生じたのですが、Riot Korea社の神対応により会場に入れてもらって観戦する機会に恵まれました(そして観戦しないからといって望遠レンズをホテルに置いてきたことを心底悔やんだ)。

 

会場は、プレイインの舞台だったLoL Parkと違い専用施設ではないものの、物販スペース、Acer Predetorブース、チームブース(出てないチームもあり基準がよくわからない)、ファンミートスペース、フードエリアが会場内に設営されている。チケット受付は屋外テントで対応しており、プレスルームも建物外に大型テントを設置して用意。おお、至れり尽くせりや。会場内はセキュリティ人員がかなり配置されており、人の流れの整理もしていた(階段は右側通行!って言われてた)。僕が到着する前には会場前でコスプレイヤーが集まっていたらしくぐわー見たかった…!となりました。


それぞれの印象は以下の通り:

物販スペース:15平米くらいのスペースに見本がバンバン置いてあり、手ぶらでレジに行って商品を指定する形式。商品一覧パネルで売り切れ商品も把握できる仕様。レジ裏に在庫を補充すればいいという合理的な設計でなるほど良いわと思った。そしてレジ手前には安めのステッカーやキーチェーンを置くなど最後の最後に財布を殺しにくる。

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物販の一部。

Acer Predetorブース:アリーナへ上がる階段横に配置。大型モニターで試合を見ることもできるほか、10台くらい設置したPCでLoLも遊べる(実際試合している人がいてびびった)。いつもリプレイありがとうございます。

チームブース:アリーナ前の通路壁沿いに、同人誌即売会みたいに長机を置いてある。ちょっとした応援グッズ入り紙袋プレゼントしてた。RNGのは特に気合入ってた。出してないチームも結構多かったけど、基準はよくわからない。

ファンミートスペース:通常時は何もないのだけど、予定された時間になると列整理レーンと長机が用意され、チームメンバーと写真を撮れる。セキュリティチェックもされていたっぽい。この日はVitalityだったけど、YamatoCannonの圧倒的伊達男感は直接見てもまったく変わらなかった…。しかし負けたチームも出るわけで、これはプロとはいえ厳しいよなあと。

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セクシー。

フードエリア:立って食べる感じのフードエリアもあり。まだ使ってないのでよくわかんないけど、助かる。

プレスルーム:会場外にかなり立派な小屋が建っていて、そこがプレス向けに開放されていた。ごはんとコーヒー、ドリンクも出てる!ただプレス人数に対してちょっと狭いかも。もう少し面積広いと嬉しい。

 

…と、全体的な印象をチェックしたところで入場、観戦しにアリーナに入りました。一階席の入りを見る限り、金曜の5時すぎで8割は埋まってるかな?という印象。LPLやLCKで見る光る板持ってる人もちらほら。サンダースティックは当然みんなバンバン振っている感じです。

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会場内。ビッグプレイのときは悲鳴も。



驚いたのは、目当ての試合だけ見て帰る人がいたこと。これは一階席チケットが2000円くらいであることも大きいのではないかと思う。Riotがつねづね言っている「誰でも見られる大会」はこういう形で実現していた。こうして肩肘張らずに観戦に来られるのは素敵だなと思うし、全身全霊をかけなくても見に来ていい空気というのはとても歓迎すべきことなのではないかなあと思った。そして、仮にスポンサーのお金とチケット費で大赤字になっていないのであれば、この規模は持続可能(サステイナブル)だと思う。

 

これからいろいろお仕事していくのでどれだけこちらに書けるかわかりませんが、ひとまずここまで。

会場全体はワクワクしています。僕もワクワクしています。みんなワクワクしていきましょう!

 

Rekklesが唯一信頼するTravis Gafford氏のチャンネルを見ようぜ

もう先週になりますがヨーロッパリーグの公式番組「EUphoria」にRekklesが登場した回にふと語っていた一言を紹介したいと思います。

「僕は基本的に今、Travis以外のインタビューは極力受けないようにしているんだ。彼の姿勢はすごく誠実だ。他のサイトでは”釣りタイトル”でクリック稼ぎして、読んでみるとほとんど嘘みたいなことが多いけど、彼はその点すごく誠実。だから、彼のインタビューなら受ける。」

Djoko「”これこれこういう状況になったら引退も考慮するかも”という発言が、”Rekkles引退!”みたいに書かれないってことだね。」

www.youtube.com

 

先日の下の記事はまさにTravis氏のインタビューを和訳したものでした。

lolnotes.hatenablog.jp 

 

こういった人が継続的にシーンに貢献してくれることは、僕らのようなファンにとっても、おそらくは選手やチームにとっても大変健全で良いことだと思うので、日頃英語で情報収集している方はぜひ彼のチャンネルに登録しましょう!

 

という、誰からも頼まれていないのに勝手にTravis氏を応援する単記事でした。それでは皆さま各地域のPlayoff楽しんでいきましょう、そしてWorldsも!

 

Rekklesが自らベンチ入りした理由を話したインタビュー

 RevolさんがRetweetしていたRekklesのインタビューが大変おもしろかったのと、たぶん知りたがっている人が多そうだったので頑張って途中まで起こしました。

 英語が分かる方、ぜひインタビューしたTravis Gafford氏のチャンネルでしっかり見て、ついでにチャンネル登録してね!僕は英語わからない人のために支援したいけど、コンテンツとしてはすべて彼のものなので。よろしくです。

 

 

 LA滞在はどう?

 LAは僕には人が多すぎると思う けれどいい街だよね今年は入国が一部電子化されて楽だったのも良かった着いてからはスクリムやステージでのプレイはしていないけれど、それでもチームの一員であることに変わりはないけど。こっちではソロキュー回したりしてた。

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 ところで、どうしてスタメン降りたの ?

 端的に言えばメタのせい。 今強いチャンピオンが自分がずっとプレイしてきたチャンピオンではないから、結果チームとしてピックするチャンピオンとも違う。

 それならば僕が外れることで、僕が得意とする10のチャンピオンをどうやって戦略に組み込むかを考えなくていい。現実問題として今は BwipoとHylissangがシナジーを発揮できるかだけが課題で、これはうまくいってると思ってる。 この方が解決策としては僕がどうプレイするかを中心に組み立てるよりもすぐに対処できるし。チームにとってこれが最善だと思った。

 後はライアット側で修正パッチを出してくれることを待ってる...けど、もうすでに2パッチとミッドパッチが当たっていて 、それでもまだ僕が必要だと考える修正はなされてない。

 正直言ってストレスは溜まっている。もちろん僕はチームを離れたわけではないし、ずっと一緒に時間を過ごしているけれど存在してないのと同じようなものだから。 今や、自分がチームにとって価値ある存在だと感じられなくなっている。もちろんディスカッションには参加しているし自分なりのマクロ観なんかも 共有しているけれど... 正直現時点でマクロって存在してないようなもんだし。 マッチアップについて自分の考えを述べようと思っても、自分が経験してきたマッチアップとは違う。

 だから今のところみんなの邪魔をしないように一歩引いているような感じかな。 もちろん自分としてはもっとチームに貢献したいと思ってる。 だから今はより価値を提供できるようにたくさんソロキューをプレイしてるところ。 メタがADCに戻ってきた時にしっかりとしたプレイができるようにね。

 それから、2、3日前からは bot レーンでプレイするチャンピオンをちょっと変えるようにした。 というのもミッドパッチの内容を見てそれから次の2発自分の予定を見たところ おそらく当面は ADCメタが戻ってくることはないだろうと確信したから。このままだとWorldsまでそのままという可能性もあると思ってる。 だから、スウェインやヤスオ、それからイレリア、ライズ、ブラッドミアとかもプレイしていくかも。もしかしたら最終的に、そういった形でスタメンに復帰するかもしれないけれどまあ今のところはベンチを温めているしかないね。

 修正が入るかどうかは僕のなんとかできる範疇にはないから。 個人的にはストレス溜まるけどチームとしては問題ないよね、今も勝っているわけだし。 で現時点で僕はそんなに必要とされてないと。それって最悪だけどね、自分はもっとチームに価値をもたらせると思ってたから。

 

 僕はアナリストではないけど、NAではかなり頻繁にADCがピックされてる。FNCにとって、「その試合でやりたいことに応じてBwipoとRekklesを入れ替える」という戦術を取らないのはなぜなんだろう?

 僕らの考えとしては ADC 自体が、少なくとも bot レーンにおいては他の強いチャンピオンよりも弱いと考えているから。 これについてはほとんどのチームは同意してくれるんじゃないかと思う。もしかしたら他のチャンピオンがプレイできない、僕らみたいに代わりにプレイできるプレイヤーが居ないチームはあるかもしれない。あるいは本当にADCは強いと思っているチームもあるかもしれないけど、そういうチームはたいてい、強豪ではないよね。何にしてもFNCとしては 、ADCのほうが弱いと考えている。 メイジやブルーザーの上手いプレイヤーがADCとレーンを戦ったら、当然ながらそっちのほうが試合に与えるインパクトは大きい。 だからボットでADCをプレイするということを完全に放棄したんだ。

 可能性としては僕がミッドでファンネリング戦略をとるということもできるし、RNGみたいにサイドレーンでマッチアップ有利を作ってプレイすることもできると思う。ただ現時点でADCをプレイすること自体、ある種のINT(Intentional Feeding、意図的なフィード)だと思ってるから。それならADC不要だろうというのが僕らの考え。 だからまあ僕の仕事はなくなったんだけれど。

 当然素敵な経験ではないけど、だからって「じゃあ俺は家に帰るよ、必要になったら電話して」なんてことはしたくないし、正しいことだとも思わない。そしてチームとしては僕がきちんとそこにいるということが結構大事だと思っている。毎日 顔を合わせて話をしてっていう状況にしておかないと、2ヶ月後とかにメタが戻ってきたとしても「よう久しぶり何してた 」って状態じゃチームとして機能できないでしょう。

 すごくストレスは溜まるけどまあ僕にできることはさっきも言ったけど何もないからね。

 

 じゃああなたのスタンスとしては「修正」すべき自体ってことだよね?というのも、ADCの中には好ましい変化だっていう人もいるでしょう。彼らに言わせれば特定のマッチアップにおいては ADCの方が有利が取れるという人もいる。カイ=サは今でもよくピックされるし、ADCが全滅ってわけじゃなく、ADCと、それ以外にメイジとブルーザーという選択肢が広がったんだと。でも話を聞いてるとあなたの意見としては「ライアットは修正すべき」と考えてるみたいだったけど ?

 多くの人にそう思われているだろうなっていうのは感じてるけど、個人的にはクールなことだと思ってるよ。 もちろん繰り返しになるけど現在の ADCはとてもじゃないけど良い状態にあるとは言えない。 良い状態だったら今ベンチにいないからね。

 僕が言っているのは元に戻せという意味ではないんだ。新しいことをするのは楽しい。当然だ。ただ、ADCプレイヤーはこれまで特定の役割を完璧にこなすために練習を重ねてきてる。 そしてその役割を担うチャンピオン、マークスマンはこれだけ長いゲームでも数は少ない。で、そういう状態から、「今後は10体のチャンピオンを使いましょう!」「了解、マスターします」というのはほぼ誰にとっても無理だというだけの話で。

 特に僕らのような ADCプレイヤーは「ADCとして、今何をすべきか」という点にプレイのフォーカスを重く置きすぎていたから、ソロキューで別のロールに入ったり、まったく新しいチャンピオンをプレイすることになるとどうしていいかわからない。

 だから変化のペースがもっと遅ければ問題なかったと思う。例えばこれまでは10体の ADCが使えたとして、今は0だとする。 それが代わりに10体から5体になって、代わりに5体の新チャンピオンがbotレーンでプレイされるようになる、ということなら良いと思うんだ。それなら変化の速度が緩やかで僕も5体の ADC をプレイしながら、新しい5体に慣れていくっていうこともできたと思う。 それが今は10体から0体になって、新しく10体覚えなくちゃいけない状態。それってあのスケジュールでは現実的に不可能だ。

 当初は僕らの中にもいくつか選択肢があった。ひとつはBwipoを代わりに入れるという現在の案。もう一つが僕がファンネリングで ADC をプレイし、その間に新しいチャンピオンを覚えるという案。ただこれはうまく行かなかった。ファンネリング自体、潰される可能性が大きい戦略だから。Week 1でもCapsが試したけど (あれは僕がプレイするところだと思っていたけど)失敗した。そして今や、多くのチームが対策をしっかり立ててしまっている。理論上は完璧に見えるんだけどね、実行するとなると100%の精度でやらなければ失敗してしまう。

 だからFNCとしては今botで強いチャンピオンが得意なBwipoを代わりに入れて、僕はその間下がることになった。 当時はコミュニティも荒れてたから、8.12か8.13で修正されるだろうと考えてね。ただそうはならなかった。だから今は現実を受け止めて、しばらくはこのままだろうと考えるようにした。だからソロキューでADC以外のチャンピオンをプレイし始めたんだ。多少でも、チームにフィードバックが返せるように。botスウェインは、botヤスオはこうプレイされてるよ、って。Bwipoは元々Topだから、思考もTopよりになるからそこで役立てるかなって。一方僕はbotのレーン戦経験は豊富だから、その視点から何か提供できると思って。

 

 今、例えでしたが強いADCはゼロ、という話がありました。ただNA見てるとかなり頻繁にピックされてるんですよね。あれはNAがメタを読み間違えているのか、あるいはメタに「順応」してみせたのか、どちらだと思います?NAがADCをピックしているところで、本当ならメイジやブルーザーをピックしたほうが強い?

 (しばらく考えて)今一番強いのはルシアンだと思う。スケーリング待たなくていいし、カトラス買えばそれで準備完了だし。エズリアルも悪くないけど、どちらかというと消極的なアプローチであって、勝ちに行く感じじゃない。3位はカイ=サだけど、彼女はレーン戦が弱い。だからそもそもピックを考えた時選択肢にあがるのはルシアン一択っていうことになる。 ただ事実として、Bwipoみたいにメイジやブルーザーの得意なプレイヤーがbotでプレイして、彼の対面にルシアンが来ても、基本的に僕らが勝ってる。だから今世界各地で起こってるのは、慣れてないブラッドミアやスウェインをプレイするADCプレイヤーに対して、慣れてるADCを当てた場合にADCが勝っているというだけじゃないかな。だから仮にこの状態がずっと続いて彼らがメイジやブルーザーに習熟してきたら、最終的にはメイジやブルーザーが勝つ。 ファンネリングが成功した場合を除いてね。ファンネリングもゆっくりと衰退していくと思ってる。潰すのが簡単になってきたから。

 MSI後のインタビューで、少し休みたいみたいな話をしていましたよね。それが皮肉ながら、今は実際に休みに入ってしまってる。NAだとDoubleLiftが昨年春に1 Split休養に入ってました。個人的に聞いてみたかったのは、「休養」を楽しめてますか?あるいはただフラストレーションが溜まるだけ?ということだったんですが。

 フラストレーションは溜まってます。もちろん、本当に休養...スウェーデンに帰ってLoL以外にやりたいことをする、という状況ならもっと良い気分でいるかもしれないですけど、今は毎日チームに参加してソロキューをプレイし続けてるので、出場していたときとやってる事自体はたいして変わってない。だからこそフラストレーションが溜まります。情熱はそのまま身体でくすぶっているのに、今はソロキューしかプレイできないから。

 だからこそ、RiftRivalsが終わったら、Joeyに話してみようと思ってる。 もしも僕がチームの力になれていないのであれば、僕個人の事情としては、1~2週間休養してリセットしたほうがいいだろうから。でもそれは僕が決めることじゃない。「やることないから帰るよ」って言うのは間違ってると思うから。もしそうなるとしたら、チームからそう言われた時になるね。まずは話してみるよ。だから選択肢の一つだね。

 プレイしたいのにできなくて、自分にはどうすることもできずフラストレーションが溜まる、という話ですけど、チーム、Bwipo、ライアットに対して釈然としない気持ちなんかはあったりします?

 そもそもBwipoを出すように進言したのは僕なので、彼にもチームにも一切そういう気持ちはない。みんな僕の気持ちを理解した上で前に進んでいるんだから。

 ライアットに対してはそういう気持ちは間違いなくあります。この状況への対処がとても酷いと考えているので。ただ他のロールも同じような状況は味わってきたわけで、LoL史上はじめての出来事というわけじゃない。パッチでやらかすのは別にすごく特殊なことでもない。

 ただ...僕は準備ができていなかったというだけなんだろうな。今後はもっとソロキューでADC以外をプレイしていったほうが良いのかもしれない。再びこういうことが起きたときのためにね。今のチャンピオンプールはADC 10体とジャンナだけだから。ジャンナは僕本当にやりこんでるから。

 ただ予測も、変化も僕らにできることではなかったわけで、ただ今はできることを全力でやるだけかな。その第一歩がBwipoにステージ経験をもっと積ませることで、次が僕自身が使えるチャンピオンを増やすこと。これは出遅れた。2、3日前までやっていなかったからね。繰り返しになるけど、8.12か8.13で修正が来ると踏んでいたから。結果論で言えばもっと早く舵を切るべきだったんだろうけど...。チームは勝ってるし、僕もソロキューでそれなりの成果を上げてる。

 それに...なんというかLoLがまた少し面白いなって思えるようになってきた。だから別に世界の終わりってわけじゃない。ただ今の課題は、チームと一緒にいるだけで何もしないんじゃなく、もっと貢献したいってところかな。僕もチームも得しないから。まあ会期中に話すことじゃないよね。今は邪魔したくないから、スクリム中は別の部屋に行ってるし。大会が終わったらいずれにしても話をしてみるつもり。

 唐突な質問だけど、北米に来たからDoubleLiftと話す機会はあったかなって。何か彼の考えとか話す機会はありました?

 軽く話したけど、深い話はできてないかな。なんで出てないのって聞かれて、ウチはADCプレイしないからさ、って答えただけ。スクリムで当たって出てこないのは知ってたからね。彼は「こっちは通常構成で普通にやれてるよ」って言ってた。

 おそらく僕ら2人にとってどう勝つかの考え方が全然違うんだろうね。彼にとっては、彼が圧倒的に他のプレイヤーよりも上手いから関係ないって思ってて、一方の僕もある程度までは同じ気持ちなんだけど、本当の強豪と当たった時には(訳注:現在の状況では)勝てない、と思ってる。もちろん彼に直接、今RNGと当たってもいけると思う?って聞いたわけじゃないから本当のところはわからないけどね。

 確かなのは、今FNCが本当の強豪と当たって、僕がADCをプレイしたら、チームに貢献できない、ってことだけ。ノクターンがULTするたびに僕は死ぬし、それなら何でも別のピックをしたほうがマシだと思う。タンクでもサポートでも。

 お互い正しい道を行ってるんだと思うよ。彼がNAでこのまま勝ち続けても僕は驚かない。TLは圧倒的に強いから。スクリムやNA LCSを見たところではね。だから僕らも彼らも成功を収めると思う。メタがこのままで両チームがWorldsに出てきたら、そこで答えが出るんじゃないかな。

 そこでBwipoが出て0-6で負けたら最悪だけどね、1 Splitベンチに下がっておいてこれか、って感じちゃうだろうから。ただ正直言って、このままのメタだったらそれはありえないと思ってる。

 明日FNC vs TLあるし、そのBO1での勝者で分かるんじゃないですか?(笑)(ちなみに試合はTLが勝利した)

 イエスだけどノーだね。MSI見ても分かる通り、僕らは別に最弱チームじゃない。TLともかなり互角にやりあった。だから今僕が出て戦っても、問題ないと思う。

 僕はただ...RiftRivalsよりも長期的に見てるだけというか。個人的にこの大会には何の興味もないから。URFとかやったりしたことからも分かるけど、本気の大会じゃない。正直言ってガッカリしてる。ただチームにとっては良いことだと思うよ。他の地域のチームとスクリムできるからね。ステージでの試合に意味はないけど、現時点までで12~15試合もスクリムできるのは大きい。それだけで来た価値はあった。たぶんNAチームも同じ気持ちじゃないかな。面と向かってどうでもいいとは言わないと思うけど、気持ちとしてはね。1~2ヶ月もしたら誰も結果覚えてないでしょ。よほどの暇人でもなければ。

 だから双方にとって、この大会の価値はスクリムだと思う。そしてスクリムの結果を見るに、僕らのスタイルのほうが優勢だ。

 DoubleLiftが僕がベンチに下がってることをどう思ってるか分からないけど...彼がルシアンかカイ=サのどちらかを取れば勝つだろうし、ドラフトでそこを封じられれば負ける。その2体以外に、今試合をキャリーできるチャンピオンはいないから。ルシアンなら2アイテム前から、カイ=サなら2アイテム以降からキャリーできる。それ以外ならデッドしまくるだけだ。エズリアルは、さっきも言ったけど消極的なアプローチだから。ブラッドミア、スウェイン、ヤスオ、ライズ、そういうのと当たったらレーン負けて試合持っていかれて終わり。それは彼もやりたくないだろうし、たぶん今大会 彼はこの2体で通すんじゃないかな(訳注:実際そうでした)。

 じゃあ予想としては、TLがDoubleLiftの実力でゴリ押しして勝つけど、Worldsで強豪と当たったら勝てないと?

 前提は今の状態が続けばだし、もちろんImpactやPobelterがキャリーすれば勝つと思うよ。でももしすべてが互角の状態で、botにスウェインがいるチームといないチームだったら、いるほうが勝つ。NAは正直、TL以外弱いと思う。強いチームが思い浮かば...あ、TSMは可能性があるかな。Worldsも出てくると思う。でもそれ以外は全然TLに及ばない。TLはWorldsのチケットも、Summer Splitもタダ勝ちじゃないかな。ただWorldsでどうなるかは分からない。

 あ、あとDoubleLiftも他のチャンピオンを練習してると言ってた。だからカイ=サ、ルシアンが封じられても次の手は用意してくるだろうね。

 彼のブラッドミアの試合見ました?

 見ました。切ない。

 

以下、飽きたのでざっくり。

  •  RiftRivalsはAllStarと併合すべきじゃない?という議題に対し、それが良いと思うと言ってた。そもそもスケジュール的にきつすぎる、基本的には現地開催じゃないと行かないほうが得な大会になっている、と。
  • 昨年はNAチームがヨーロッパに来て大変だったろうし、今年は僕らが大変だ。僕らはいいけど、G2とかすぐMisfits戦だからしんどい。MisfitsはG2的に無価値なのに全力を出す試合を4~5試合見て分析できるし練習もできるし。一方のG2は疲れるばかり。
  • Worldsに出られるかどうかはプロにとってデカい。もちろんG2は出られるだろうから別にいいけど、SplyceなんかはWorlds出場目指すなら本当にきついでしょ。国際大会は出たほうが得じゃないとだめだと思う。
  •  お祭り的な雰囲気もAll-Star的だし、うまく併合できるならオフシーズンだからそのほうがいい、みたいな話。 ライアット的には盛り上げたいけど「真剣勝負」と「お祭り」を考えた時、真剣勝負を実現するのは難しい、だから実現可能な「お祭り」要素、URFや2v2やってるんじゃないかと。

 

 Rekklesから最後に:「ちょっと今しんどくてSNSRedditも見てない。良いこと言ってくれる人の言葉を見られないのは寂しいけど、暴言とのバランスがつりあわないから。でもサポートしてくれる人、ありがとう。悪口ばっかいってる人ら、結果で反論するから見てろ」

 

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以上です。

かつて僕がやってた公式LoLEsportsが上げてるVODの解説を翻訳するとかじゃなく、サードパーティのコンテンツを翻訳するときは本当は許可取るべきなのは承知の上で、やきもきしているRekklesファンにもこの内容を届けたくて勝手に翻訳しました。

こういった見ごたえのあるコンテンツを応援するよう、みんなオリジナル版にもコメントとかしてあげてくださいね。僕は単なる勝手翻訳野郎なので無視で結構ですから。

UOL現役コーチSheepyの自チーム集団戦分析動画

昨日Youtube見てたら、普段当たり障りのない(失礼)動画しか上げてないUOL公式チャンネルに面白い動画が上がってたのでこれは紹介せねばと思ってコレ書くことにしました。

youtu.be

題名にも書きましたが「LCS現役のヘッドコーチが、自分のチームの集団戦を分析する」動画です。

ザックリ言えば、

  • こちらが集団戦構成で相手がポーク&カイト構成の時
  • こちらがポーク&カイト構成で相手が集団戦構成の時

にどう戦い、どう勝ったかを説明しているんですが、

いわゆる「このメカニクス(ハンドスキル)が凄い!」という話ではなく、「集団戦のウィンコンディションに従うためにどう動くべきで、どう動いたか」を解説しています。

 

基本的に重要なポイントはすべてオーバーレイテキストで書いてあるので、LoL遊んでいる人ならテキストだけで分かるんじゃないかと思います。あと、Youtubeの自動生成字幕がそこそこの精度なので、言っていることはそこでも読めます。

試合中にしっかり相手の構成に合わせて位置取りの有利を撮っていくところとかは、コーチとしていつも話ししてるんだろうなという感じで淡々と、教科書を読むみたいに語っていてなかなかおもしろいですよ。

連携なのでソロキューで使うのは難しいかもしれませんが、現役コーチがこういうことするのは珍しいのでぜひ見てみてください。