ADC初期アイテムにドランシールドを積む理由(Youtuber Phylol氏より)
ミッドシーズンパッチで新しくなったドランシールドがADCの初期アイテムとして使われ始めていることをまとめた動画を紹介したいと思います。
このYoutubeチャンネルはPhyさんという元C9ストリーム部門で配信をされていたイギリスの人で、同じく有名YoutuberのFoxdropさんの実のお兄さんです。兄弟とは知らずに両方をチャンネル登録していたので知った時はびっくりしたなあ。
このへんは公式動画「Live/Play」 エピソード1 「Be There(私家訳:そこにいて)」でも取り上げられてます。
人物紹介をこんなにしているのは、今回取り上げる動画が公式のものでないことが第一の理由です。
ただ他にもここのところYoutuberが収入面で苦境に立たされているという理由があります。実際Phyさんも先日まではスポンサーなしでやっていましたが、最近はスポンサーを付けて運営しているようです。というわけで、少しでも彼らのような質の高いコンテンツを作ってくれるチャンネル主催者に人が集まるといいなと思って紹介しているのが第二の理由です。
エイゴ チョット ワカル な皆さんはぜひチャンネル登録して、視聴したり広告クリックしまくったりしてあげてください。
では以上前置き終わりです。なお、くどいようですがコンテンツはすべてPhy氏が制作されたものであり、僕のブログは抄訳です。また(彼のチャンネルに出来る限り人を送りたいという意図の上、マネタイズしていないブログで紹介しているとはいえ)人のフンドシで相撲を取っていることに変わりはないので、問題があるようであれば本投稿は削除する予定です。
ではコンテンツへ。
現在ADCの初期アイテムとして主流なのは
です。
ロングソードでポーションをたくさん購入する理由は基本的にダメージ交換を積極的に行っていくためです。その過程でガンガン体力を失うことになるため、それを補うためのポーションというわけです。
一方のドランソードスタートはファーム合戦向けまたはキル合戦向けという感じです。ファーム合戦であれば通常攻撃をたくさんすることになるため、ライフスティールが効果的です。そしてキル合戦の場合、増加HPとライフスティールがモノを言うわけです。
そして第三の選択肢として浮上してきたのが:
- ドランシールド + ポーションx2
- 価格400
- +80 HP
- +6/5秒 体力自然回復
- 敵チャンピオンからダメージを受けた場合に10秒かけて体力を20回復(固有パッシブ)
ドランブレードと比較すると…
- +80 HP
- +8 攻撃力
- +3% ライフスティール
というわけで、端的に言えば「攻撃力とライフスティールを失う代わりにサステインが上がる」選択肢となります。
またドランブレードは「ミニオンを攻撃するとライフスティールできる」ということであり、マッチアップが悪くゾーニングされて攻撃できない場合にはスティールがそもそもできません。そういう場合にこそドランシールドのサステインが活きてきます。攻撃を受けると回復する上、ポーションも1つ多いからです。
これが選択肢として上がってくるのは、今ケイトリンがピックされる頻度が多く、レーン戦がしんどい場合が多いためです。またルシアンもこちらの位置取りが悪ければダッシュからのダメージ交換で負けてしまいますし、そうなるとライフスティールでは回復が追いつきません。またスペルシーフのアップデートがかかり、サポートにもザイラ、カルマ、マルザハールが多くなっているためサステインがなおさら重要になってきているわけです。
で、回復量についてですが、ざっくりまとめると
ドランシールドの固有パッシブと張り合うには、ドランブレードでは5秒あたり2回通常攻撃をしないといけません。
ドランシールドのパッシブがずっとかかった場合と比較すると、これは5秒毎に7回通常攻撃しないといけない計算となり、不可能な数字になります。
一方で考慮しなくてはいけないのが、ドランブレードの「ライフスティール+3%」は攻撃力が上がるにつれてスケールしますが、ドランシールドのほうは固定であるためスケールしない点です。
初回リコールでBFソードが買えたらライフスティールの回復量はぐっと上がりますし、その後攻撃速度が上がれば時間あたりの回復量はさらに上がります。
要するに序盤を超えたあたりからドランシールドの価値は相対的にぐっと下がってしまうということです。
なので継続的に通常攻撃できる環境であれば、ドランブレードのほうが総合的な効率は良いでしょう。
一方で相性が悪い相手でまともにファームがさせてもらえそうにない場合、ドランシールドのほうがサステインが上がります。
これはポークの強いサポート(ザイラの植物やカルマ)相手ならなおさらです。
要するに最初の15分を凌ぐという目的ならば最良の選択肢になる、ということです。
Phy氏は個人的に多くのチャンピオンでロングソード+ポーションx3からドランシールド + ポーションx2に切り替えたそうです。
あとはダメージ交換が苦手な人にとっても良い選択であろう、とのこと。
一方でRevolさんが今日こんな感じのことをおっしゃっていました。
AAの射程が長いADC(e.g. ケイトリン/アッシュ)でドランシールドスタートしている選手をちらほらみるようになってきた。序盤のLS3%よりも10秒かけて20HP回復(加えて6Hreg)の方が確実性が高い?
— Revol (@krevol) 2017年5月9日
Phy氏の言っていることとは反対(レーン強者が持っている)ですが、「ドランシールドのパッシブがずっとかかった場合と比較すると、これは5秒毎に7回通常攻撃しないといけない計算」という数字を踏まえると、相手がドランシールドを持っていることを想定するならレーン強者側もそれを持つことでより有利にレーンを進められそうなので、そういう流れなのかもしれません。サポートのハラスでもりもり回復しそうだし。あれ?そうすると誰がドランブレード買うの…?
はい、今日は以上です。いつもとだいぶ毛色が違いますが、最近色んなロールを練習中なので自分が勉強になりました。なるほど。僕はドランシールド一択だな!というわけでサモナーズリフトに戻ります。以上LYEでした。
あ、Phyさんのチャンネル登録、お忘れなく(ダイレクトマーケティング)!あとLive/Playも内容濃いし、海外LoL実況シーンが垣間見えて面白いですよ。
用語解説:ヘイルメリーバロンとかバロン用語
こんちは、MSI盛り上がってますね。日本代表のRPGにとっては難しい大会となったようですが、これを糧にさらに強くなってくれると信じているLYEです。
今日は、先日のアンケートで票数が多かった順に「ヘイルメリーバロン」を説明してみたいと思います。これだけだとまあ短いんで、ちょっと他にバロン関連用語も取り上げてみますね。
そもそも「ヘイルメリー」って何よ?
直訳すると「聖母マリア様に祈る」って意味で、要するに「神頼み」という意味です。以上、説明終わり。…とするとちょっとさびしいので、もう少し続けさせてください。
アメフト経験者・NFL好き(あるいはジャンプ漫画アイシールド21読者)なら、試合終盤によく聞く用語に「ヘイルメリーパス」というのがあります。これは、試合終了間際に「神頼み」で成功率が低い超ロングパスを投げて得点を狙うというプレイです。で、これのLoL版が「ヘイルメリーバロン」というわけです。
アメフトというのは非常に戦略性の高いスポーツで(LoLと同じですね)、得点する…つまり試合で有利を作るには長い時間をかけた下準備やマクロ・ミクロプレイが必要になります(LoLと同じですね)。で、アメフトはLoLと違って試合時間が決まっているので、負けているチームとしては、普通にプレイしていたら残り時間が足りずに得点できず、勝ち筋が消えることがあり、だからこそこういったプレイが生まれるわけでございます。
(ヘイルメリーパス成功例)
ヘイルメリーバロン(Hail Mary Baron)
LoLのケースでは相手にゴールド差やオブジェクト差をつけられすぎた時がこれと似た状態であり、「このまま普通に戦っても勝てないから、成功率は低いけどこれに賭けるしかねえ」と判断してバロン攻略を開始する行為を指して「ヘイルメリーバロン」と呼びます。
いわゆる「バロンスロー」(プロにおいては間違った戦略的判断に基づくバロン攻略、プロ以外だと「勝ってるからって "舐めプ" で始めるバロン」)との最大の違いは、仕掛ける側がミクロ(戦術的)判断としては合理的でないと分かっている点です。そのままだとジリ貧なのでマクロ(戦略的)には正しいのですけどね。
バロンスローについてはThe Breakdown with Jattでも取り上げられていたのでこちらを。
というわけで、相手をキルした直後でもなければレーンを押しているわけでもないのに負けている側がバロンを始めた場合、それは戦況によって「ヘイルメリーバロン」にも、「バロンスロー」にも、あるいはその中間であることもあり得るわけです。
MSIでもおそらくバロンを巡ってこういった作戦が取られることもあると思うので、よかったら注目して見て、これはどっちかなとか判断してもらうとちょっと楽しいかもしれません。僕は楽しいです。
------------
っと、ヘイルメリーバロンはこれで説明終了なのですが、せっかくなので他にもバロン関連用語を説明してみますね。
バロンパワープレイ(Baron Power Play)
プロシーンでは皆さんご存知の通りいろんな観戦者ツールが用意されていて、普段の試合では見られないたくさんのデータが表示されます。そのなかのひとつが「Baron Power Play」です。
LCKやLCSなどでバロン獲った後に解説がこの用語を使うことがあるのですが、これは「バロンバフを獲得してから失効するまでに築いたゴールド差」を意味します。つまりどれだけバロンバフを活かせたかの指標です。
タワーを複数本折ったりするとすごいパワープレイになりますが、一方でバロンを倒した直後に捕まってエースされたりするとこの数値はマイナスになったりもします。「強いチームは作った有利を活かし切る」という前提のもと使われることが多いですね。
もっとも、タワーをあらかた折った後だったりすると(残りはインヒビタワーだけ、とか)有利を活かしてもそれほど数値は伸びなかったりするのですが。
------------
スニークバロン(Sneak Baron)
続いてはスニークバロン(Sneak Baron)ですかね。
Sneakは「こっそり」という意味なので直訳すると「こっそりバロン」。
意味は、「相手に見つかることなく(こっそり)バロン攻略する」です。
相手がリフトスカトルを獲っている状態でバロンピット裏から侵入して、視界に映ることなくバロンを開始する。一端3人をレーンに出して相手を安心させたところで2人だけでバロンを削りまくり、最後だけ全員集まって仕留める。そういう感じのプレイです。
バードの精霊の旅路やブラストコーンなどでチームが一斉にバロンピットに忍び込むこともあります。
具体例はUOLのこのシーンでしょうか。ここでUOLは相手に周辺視界を取らせず、レーンに顔を出した直後にバロンへ直行、デイジー付きアイバーンとカシオペア2人で倒しきっています。
(なお動画名が「UOLの Baron Power Play」となっていますが、厳密には間違ってますね)
これは視界管理やタイミングの妙を誤れば「バロンスロー」になってしまう危険もありますが、上手く行った場合には凄まじいアドバンテージになるのも事実です。
うん、これくらい情報量があったらそれなりに読んでもらっても楽しんでもらえるでしょうか。以上、いつものLYEでした(そういえばこないだ聞かれたので:LYEはライと読みます)。
それでは5月、贔屓チームが勝っても負けてもMSIを楽しみ尽くしましょう。
用語解説:「ジャングルプロクシミティ」って具体的に何なの?
こんにちは、馬チームファンボーイです。TLはなんとかLCS残留を果たし、UOLはグループ1位でプレイオフ進出と馬好きにはなかなか複雑なSplitでしたが元気にやっております。
さて本日は
次にブログで解説する用語を決めかねているのでアンケートを…気になるやつに投票いただければ幸いです
— LYE (療養中) (@lye_) 2017年4月2日
こんな感じで「ジャングルプロクシミティ」について知りたい人が多そうだったので説明してみます。
まずは単語を分解してみましょう。
Jungleは、そのまま「ジャングル」です。
Proximityとは「近さ」という意味です。
つなげても「ジャングルの近さ」となり、意味が分かりません。
実はこれ、本来は「Jungler Proximity」、つまり「ジャングラーの近さ」という用語だったようです。うん、それなら何となく想像がつく。
ただそれが(たぶん言いにくいとかそういう理由で)今の形になっているとのことです。下のTweetでも、Riot StatsチームのRiotSpellsy氏がそのように明言しています。
@AkuraJebia yeah, official name i think is jungler or tries to be jungler proximity but I failed haha
— Spellsy (@RiotSpellsy) 2016年10月13日
なお、このStatは%で示され、
チーム○○のトップレーナー△△のジャングルプロクシミティはn%でリーグトップ
のように使われます。
ジャングルプロクシミティ(以下、JP)の定義についてはRiotSpellsy氏のTweetを引用翻訳します。
@TiberiusAudley amount of time jungle spends around X player in the early game (3-15 mins)
— Spellsy (@RiotSpellsy) 2017年1月19日
@EdgeworthLoL we count 2000 range (caitlyn ult rank 1, zac E rank 4 or something) -- track it via internal tools i wrote haha
— Spellsy (@RiotSpellsy) 2017年1月20日
翻訳すると:
- ゲーム序盤試合開始3分~15分のみ計算
- 「近く」の定義は 2000 ユニット(ケイトリンのULTブルズアイのLv1射程と同じ)
- 計算はRiotSpellsy氏が作成した内製ツールで行っている
※この概念は『Stats Science 101:Top Laner Performance』(プレイデータサイエンス入門:トップレーナーのパフォーマンス)という動画でも紹介されています。
要するに「レーン戦でジャングラーがどれだけ近くに寄ってくれてるか」を示す数字です。2000ユニットはそんなに広くありません。具体的にはこのくらいです。
ジャングラーとよっぽど仲良しでないと、JPの%は上がらないわけですね。
一方JPが高いのにファームもしっかりできているジャングラーは、相手からは神出鬼没に見えるという感じでしょうか。
なお、このStatはここ数ヶ月でよく使われるようになったもので、僕の知る限り1年前にはまだ使われていなかったように思います。
また当然ながらジャングラーが近くにいるほどキル/デスへの影響は高くなるので、
今後は海外配信を見ていてこの数字が出てきたら、JPに応じてキル/デスやCSが増減することも考慮するとより楽しく観戦できるのではないでしょうか(「JPめっちゃ高いのにキル取れてないしCSも勝ててないじゃん」、「JP低いのにCS負けてないしデスもしてない!どんだけ安定してるんだ!」とか)。
………え、長い?えーと、「ジャングラーがどれだけレーンにプレッシャーかけてるかの数字」です。以上!
そのうち、次点だったウィンコンディションヘイルマリーバロンについても書いてみたいと思います。
またその他分かりにくい用語などあればtwitter @lye_ までお知らせくださいー。僕がわかりそうなら取り上げてみたいと思います。
以上、今シーズンもARAMばっかりやっているLYEがお送りしました。
用語解説:「フリーバロン」って厳密にはどういう意味?
こんにちは。馬チーム好きです。UOL vs G2の試合が待ち遠しくてソワソワしています。TLのことは聞かないでください。これからです。これから。
今日は、解説とか翻訳してて端的に訳出するのが難しいなーと思った表現を一個かるく説明したいと思います。
Free は「タダ」でいいのか?
英語解説聞いていると、よく"This Baron is free (このバロンはタダ)" みたいな表現が出てきます。
状況だけ見ていると、単純に「タダ」で手に入るという意味に見えますが、厳密に言うとちょっとだけ違うんですよね。翻訳する時とか、そのへんのニュアンスをどうするか結構悩むのです。そこで誰得だよとは思いながらも、翻訳するときってこんな事考えてるんだよーという意味合いも込めてコレ書いてます。
フリーといえば、無料や自由という意味で使われる単語ですが、LoL(あるいはMOBAや祖先であるRTS)の場合、ゲームの前提となる概念と密接に結びついています。
これらタイトルが「リソースの奪い合い」であるという点です。
つまりMOBA系の解説は、何らかの成果を得るには時に代償が必要になるという前提のもとに話されているんですね。小さなものではダメージ交換もそれです(キャラクターの体力というリソースの削り合い)。
この前提が抜けていると「タダ」という単語の意味合いも少しだけズレてしまいます。
で、Freeはどういう意味なの?
「代償を一切払うことなく手に入れられる」という意味です。そのままですが、これをMOBA文法的に解釈すると「自軍は何らかのオブジェクトを確保するが、敵軍は何も手に入れられない」という意味になります。
つまり、このタワー/ドラゴン/バロンはFreeだ、と言う時、それは単に今なら安全に獲れるというだけの意味ではなく、「相手はその行動に対して何の対価も得られない」という意味があるんです。
なので、たとえばブルーサイドがドラゴンを獲る時にレッドサイドがタワーを折れれば、「ドラゴンとタワーの交換」になるので、これはFreeではありません。
ここで「お、じゃあ一方的にハラスするのはどうなの?」と思った方!たしかにその通りで、「○○ Got tons of damage for free (○○は山ほどフリーダメージもらいましたね)」なんて言い方をする時もあります。相手は攻撃できない(敵のリソースを削れない)のにこちらは攻撃できる(敵のリソースを削れる)という意味で、損害なしの一方的交換(それは交換じゃないですけどまあ、便宜上)になるわけです。
はい、以上!
あと翻訳する時に困る表現としては「Mechanics」と「Skill Cap」などがありますが、それも需要がありそうならいずれ取り上げてみたいなと思います。正直言うとどちらもカタカナで通じるようになると色々楽だなー(ハナホジ)とか思ってます。
以上プレイは下手糞なLYEがお送りしました。
EU LCS Krepo氏がG2選手と話した時「強いチームと戦える体制を整えている」と言ってたという話
今日は解説のつまみ食い翻訳ではなく、ちょっとした小ネタです。
今週からEU LCSはグループ間のチームが対戦することになったわけですが、そんな中でグループ上位同士のカードとなったG2 vs H2Kの試合中、解説担当していたKrepo氏が面白いことを言っていたので紹介します。
発端は、G2が以前のように「レーンで勝ったらそのレーンを圧倒してスノーボールする」という戦術を取らなくなったよね、という話から。この話題になった時、Krepo氏がG2メンバーと先日話をしたと明かし、特にMithy選手からこんな事を聞いたよと言っていました。
曰く、今は「レーンで勝ってレーンの有利を広げる」ことを目的とするのではなく、「レーンで勝てたらどうやってチームの有利を生み出すか」を考えているとのこと。
これについてKrepo氏も、確かに従来のかたちでもEU LCSでは勝てるかもしれないが、国際大会ともなれば相手はBang選手とWolf選手のコンビになったりするわけで、そうそうレーンで勝てるわけではないし、多少有利ができたとしてもそこから何キルも重ねて取れることはない。だから、ただ欧州で強いチームであることよりもより強いチームになることを目指していくならば良い方向性だと思う、と言っていました。Krepo氏は明言していませんでしたが、要するに「格上の相手とも戦える体制を整えている」のだと思います。
今年からMSIとWCSに日本参加枠もできましたし、日本の強豪チームも今後はそういう事を考えていかなくちゃいけないのかもしれませんね。
なおフルセットとなったこの試合も、とにかくオブジェクト重視で進められていました。なるほどそういう狙いがあってのことなのだなと興味深かった。大変見応えのある試合だったと思うので、未視聴ならぜひそんな部分に注目しながら見てみてください。
以上今年もまだアンランクドで絶賛ARAM専のLYEがお送りしました。
2017 EU LCS Spring Split: OG vs UOL: W2 D1 G1 解説翻訳
今日はEU LCS 2017 Spring Split Week 2 Day 1より、Game of the weekだったOrigen vs Unicorns of Loveの試合について、解説のつまみ食い翻訳をしてみたいと思います。
コレ、何もかも完ぺきな試合ではなかったとは思うのですが、色々と現在のメタとか、勝利条件とかでDeficioさんが面白いことを話していたので共有したら役に立つ人もいるかなーと思いまして。
特にUnicorns Of Loveはドラフトが読めないことでもよく知られているチームですが、読めないだけでなくなかなかの心理戦をしかけてるみたいですよ。
それでは前口上はさっさと切り上げて解説翻訳に進みます。
凡例:Deficio氏(解説) / Piratechnics氏(実況)/ LYEの補足
試合前
- Unicornは第一戦、自らレッドサイドを選択。
- 先週の試合ではEU LCSでは初となる「あえてレンガーをBanせず」、そこにポッピー、アイバーン、ルルでカウンターをかけるという戦略を取っていましたね。結局レンガーはそのせいでバーストしきることができなかったので、なかなか興味深い戦略だったと思います。最初の20分をしのぎきれば勝ちという感じの構成でしたね。
Pick & Ban
- 10 Banシステムの導入以来、ブルーサイドは狙いを持ったBanをできる一方で、レッドサイドはいわゆるOPチャンピオンのバンを強いられる状態になっています。でもこの試合ではそんなの見たくないですね。
【OG、カ=ジックスをBan】
- まあそうでしょうね。レンガーが常時Banされている現在、実質最強のジャングラーですから。
【OG、ブルーサイドにもかかわらずOPであるカミールをBan】
- 言った通り、UOLが何を仕掛けてくるかわからない以上、OGはここで念のためカミールをBanしてきましたよ。わざと空けてカミールファーストピックを強いられ、まだ見ぬカウンターを繰り出されるのを避けたのでしょう。ただOGは先週のH2K戦でもブルーサイドでカミールをBanしていたので、TOP Satorius選手がカミールをプレイしたくないからかもしれません。
【OG、1stピックでジェイスをロックイン】
- ここのところよくジェイスがピックされていますね。彼が1stピックとして優れているのは、Flex Pick(ドラフトの進行によって複数のレーンを担当できるチャンピオン)だからです。先週の各試合でもそうでしたが、だいたいどのチームも最初の1stピックフェーズではFlex Pick、ADC、Supportをピックしています。(つまりBotを固めてソロレーンをFlex Pickにしておけば、2nd Banフェーズで不利なところを狙い撃ちされにくい)たとえば、もし自チームがアッシュをピックした状態で相手がADCをピックしなければ、2nd BanフェーズでヴァルスとジンをBanできてしまいますからね。
【OG、ジェイス(Flex)/ヴァルス(ADC)/ザイラ(Sup)をピック】
- 今UOLはSupportのカウンターとしてフォーチュンもピックできますが、ここはJunglerもありですよ。ここでレク=サイやリー・シンなどの強いJunglerを取れば、あとは2nd BanフェーズでJunglerを狙い撃ちできますからね。
【UOL、シェンをロックイン】
- ああ、UOLはすごく独自の戦略を立ててきますからね…でもJunglerを残したのは良かったのかもしれません。Xerxe選手はチャンピオンプール深いですからね。何か隠し玉を用意しているのかもしれません。
【UOLの1stピックフェーズを見て】
- ジェイスの1stピックに反応するかたちでソロレーン2つを取ったのはいいですね。ジェイスがどちらのレーンに行くとしても、シェンなら厳しいながらも忍者足袋とJunglerの助けがあればなんとかしのげるでしょうし、ジェイスは放っておいてBotにULTで飛んでキルを生みだすこともできますから。Midに来てもライズならなんとでもできる。
- さてUOLはSupportどうするのでしょうか。Topにシェンを置く時は、Botが強くないとダメなんですよね。ミニオンを思いっきり押し込んで、ダイブするプレッシャーをかけていかないと。
【OG、最後のピックでJunglerにオラフをロックイン】
- おっとこれは…確かにオラフは後衛に突っ込むことはできるかもしれませんけど、OG側、他のメンバーは紙装甲ばっかりですよ?
【Pick & Banを終えて】
- UOL、Supportバードとはとても珍しいですね。何らかの作戦があるようですが。しかしOG側のJunglerはエリスのほうが良かったのではないかと思います。序盤のギャンクプレッシャーが強いですからね。タンクなしの構成の場合、序盤~中盤でスノーボールしていかないとしんどいです。試合が長引いて40分経過したら集団戦でタンクなしというのはね。
- OGはBotレーン勝てるかが大事そうですね。
試合開始
- UOLはTopとBotがかなりしんどい上に、ランブルは序盤ギャンクが有効じゃありませんからね。この両レーンで負けるとかなり辛いのでは。Topはミニオン押し込まれたりポークで体力半分になったりしていたら、タワー折られる危険が高いですし、体力少ないとULTでギャンクにもいけない。
【OG Bot、ヴァルスとザイラという強力なコンビながら強い有利を作れないのを見て】
- この2人ならもっと勝ってないといけません。OGのBotレーンについてはこの点批判が出てるんですよね。2人とも受け身なんです。ポークし放題なのに、アグレッシブに出られていない。
- このままLv6を迎えると、ULTのせいでランブルの存在感がぐっと高まります。シェンもいるし、バードのULTもキルを生み出せる。Botで5v3を起こしたりできるようになってきます。だから現時点でOGのBotがCSで負けてるのは問題ですよ。
- このままズルズルいくとライズが育ちきっちゃいますね。
- ええ、ランブルもまた同様です。序盤のギャンクが弱い代わりに、後半戦の火力は凄まじいですからね。
- さあLv6を迎えましたが、OGは望むほどのゴールド差をつけられていません。
【OGオラフがTopをギャンクしに行くも、逆に捕まってダブルキルを取られる】
- Wisdomのオラフは致命的なミスをしましたね。Midのライズ(ULTで距離も詰められる)がMIAになってからしばらく経っていて、自軍のカシオペアは追いつけない場所で、フラッシュのないチャンピオンで、あの場にいるのはダメでしょう。MidがMIAになった時点で即時撤退すべきでした。ただTopを狙いに行ったこと自体は正しいと思います。グローバルULTを持つチャンピオンがいる場合、そのチャンピオンのレーンを攻めるのが定石ですからね。ただやり方がまずかっただけです。
- OGはこういうコミュニケーションのミスが目立ちますね。もちろん新しく5人集まったばかりのチームですから、最初の数週間はそれで普通だとは思いますが。
- Lv6を迎えて、OGのBotはますます厳しくなりました。いつシェンのULTが飛んでくるか分からず、ランブルもいますから、もうレーンでプレッシャーをかけるのは諦めるべきです。
【そのほぼ直後、Botをランブルとライズがギャンク、シェンもULTで加わってOGザイラをキル】
- 当然こうなりますよね。ただ試合の流れはマップを見るとすぐわかります(シェンがULTを発動するため早々に後退しており、ライズもMIAだった)。OGは即座にTopタワーを折る反応を見せていますが、それならBotに2人が残る理由はまったくなかったんです。確実にキルされる状況だったのに、サモナースペルも3つ使ってしまっている。
【OG Satorius選手のジェイスが初手ブラッククリーバーを積む】
- これは正しい判断ですね。対面タンクならば、アーマーを溶かすアイテムをさっさと積む。2ndアイテムにラストウィスパーもありえます。いい対応です。ここからは、Topに留まる意味はありません。ウェーブを押し込んで次を待つのではなく、他のレーンにロームしていかないと。
【Botレーンでザイラが捕まったことから集団戦に発展、OGが3-1交換で勝利】
- まず、シェンがいるのだから人数差がある状態で戦闘に持ち込まないと意味がありません。自分が飛ぶ、相手が飛ぶ、その時は勝負をかけない、次に自分だけ飛べる有利を活かして人数差を作る。こうしなければ、普通に5v5やれば戦力互角なんですからこうなりえます。
【ザイラ、Midで再びバードのULTに捕まりデッド】
- そもそも前に出る必要なかったですよね。自分は紙装甲でフラッシュがCD中、相手はバード、ミニオンに固執しなくていい場面。あんまり繰り返し言うのは気分が良くないですが、良くないです。ここはガマンですよ。
- Hiiva選手は元々チャレンジャーシリーズでタンク系サポート使いとして知られていますからね、まだまだ学習中ということなのでしょう。
【UOL、1-3-1でプッシュを始める】
- これは効果的ですよね。シェンとライズがそれぞれプッシュする。シェンはいつでも飛べ、ライズもULTがあるので他のチャンピオンよりも早く集合できる。それにタイマンでも負けないですし、いざとなればシェンが護衛にかけつける。そうなるとカシオペアは、プッシュされきった後にファームするしかなくなる。その間にライズは他のレーンにロームできる。
【UOL、ふたたび集団戦で最初に捕まえた相手に固執する&シェンULTが遅れるというミスで敗北(1-2交換)、ゴールド差4kでOG有利に】
- 方向性としては間違ってなかったのですが、実際のプレイがダメでしたね。UOLは何度も同じ間違いを犯しています。
【UOL ジンが妖夢の霊剣を積んだのを見て】
- このビルド、一番ポピュラーというわけではないですが、この構成には刺さりますね。「脅威」は今タンクを倒すためのものではなく、紙装甲の相手に確定ダメージに近い威力を出すためのものですから。
【劣勢のUOLを見て】
- UOLはいつもながらの個性的なチーム編成で狙いは良かったのですが、それに沿ったプレイができていませんね。さっきも1-3-1でライズがレーンを押し込んでいたにもかかわらず、人数差を作り出せていなかったし。
【その後Mid(人数は3v4でOG有利)とTop(人数は1v2でUOL有利)で両方に勝利し、そのままエース、バロン獲得】
- OGは機動力のないチャンピオンばかりなので、ジンのULTが展開されるだけで相当つらいですね。
【OG、オラフがライチャスグローリーゴーストULTで突入するも、当然ながら後衛が追いつけず集団戦に負け、ゴールド差ひっくり返る】
- OGは誰もまともなMR積んでないので、ランブルが本当に痛いですね。Xerex選手、17歳と若く、LCSは初めてなのに実にいい動きをしています。ソロキュー的な派手なビッグプレイを狙うのではなく、必要な時に必要な場所にいてチームの勝利に貢献しています。
【UOL、そのまま数回集団戦を制して勝利】
スタイリッシュなフィニッシュだったのでGIFにしときました。ご査収ください。
【試合後のアナリストデスク】
- Mid(人数は3v4でOG有利)とTop(人数は1v2でUOL有利)で戦闘が起きた時、OGはきちんとコミュニケーションが取れていませんでしたね。Topで2人を引きつけているのに、ジェイスが「そろそろ死ぬわ」って状態になってからMidタワーを押し始めるような状態になってしまっていた。
- OGのヴァルスは、途中からMidを押させてもらえませんでしたね。あれは視界確保ができていなかったこと、そしてバードのULTがあったことが原因です。ヴァルスをピックしてウェーブを押し込めないというのは厳しい。あれでOGは前に出るということができなくなってしまった。それでもTopのSatorius選手は実にいい仕事をしていたと思います。彼のプレッシャーは相当に強かった。実質2v1で勝ちかけましたからね。
----------------------
以上、ざっくりとした解説翻訳でした。
2試合目もドラフトが大変面白かった(途中まで1戦目と同じドラフトで来ていたものの、途中からUOLがタンク祭開催)ので、ぜひ見てみてください。
また2試合目ではDeficio氏がOGヴァルスのビルドについて苦言を呈していました。「タンクばかりなのに妖夢の霊剣を初手で積む意味がわからない。ここで買うのは王剣だろう」とのことです。
ADCのビルドについては特にチーム編成によって結構違いが出てきているのが面白かったです。なるほどなー(アンランクド感)。
以上、LYEでした。あ、サモナーネームもLYEなので、ARAM誘ってよね!
DoubleLift氏、2017 NA LCSパワーランキングをつけるの巻
あけましておめでとうございます。TLファンボーイLYEです。
もうすぐNA LCS開幕だなー、はやく10バンドラフト見たいなーと思っていたら休養中のDoubleLift氏がNA LCSパワーランキングをつけてて、面白かったし観戦の助けにもなりそうだったので紹介します。
----
僕のところにパワーランキングつけてよとリクエストがよく来るので今日はいっちょやってみようかと思います。
まずランキングの前に現状を。
最近、北米シーンはベンチャーキャピタリストとかも入ってきてチームにすごい資金が流れ込んでるから、LooperやSsumdayみたいな凄まじい選手が北米に来ることになったよね。そういうロスター変更に加えて、メタも大きく変わってる。ボットレーンジグスとか。
ではランキングに入る前に評価基準をはっきりさせときます。
1:Roster:選手のラインアップ
- 観戦してると分かりにくいけど、各個人が下す小さな決断が勝敗に大きく影響するんで、ロスターは大事。それがバタフライエフェクトになって、流れが変わることもある。ワードを刺す位置とタイミングで、その後のチーム全体の判断が変わるとかね。
- ひとつのチームとして動けるかどうか、という点。
では、ランキングいきます。
10位 Flyquest
- NA LCS最悪のチーム名であることは間違いない。
- 選手はBalls、Moon、Hai、Altec、LemonNation。
- Moonは去年LCSでパッとしなかった。それ以外はみんな知ってるビッグネーム。
- じゃあなんで10位? 個人的にチャレンジャーチームにある種の偏見があるから。
- 鳴り物入りでLCSに上がってきてズタボロだったチームは多い。Renegedes、Team Coast。
- チャレンジャーチームで一番成功しているのはAPEX。それでも、去年8勝10敗で7位だったチームが一番。
- しかも今シーズンは他のチームがメンバーを強化しているから、やっぱりFlyquestは厳しいと思う。
- チャレンジャー時代とほぼ人変わってないし、ContractzがMoonになったのは弱体化だしね、たぶん。
9位 EchoFox
- 興味深いチームだよね。というのも、去年、降格がかかったTLAとの試合で2-2になって、例のPigletによるラムスミスピックがあって勝ちを拾ったチームこそがEchoFoxだから。
- 正直あの試合でPigletがちゃんとしたサポートをピックしてたら、彼がキャリーして勝ててたと思う。そうなったら、今LCSにいるのはEchoFoxじゃなくTLAだったわけで。
- そこまで接戦だった、ということを考えるとどうしても、順位は低くならざるをえないよね。
- じゃあなんでFlyquestより上かというと、まあ名前がひどくないというのは置いておくとしてロスターが強化されてるから。
- まずLooperがいる。彼とはやったことあるけど、世界チャンピオン経験者だけあってかなりの腕前だ。経験も豊富。
- KFOと比較したら凄まじい大幅強化だと思う。KFOはスプリットプッシュしかしてなかったし。
- それからジャングルのAkaadianも強化だ。そりゃ前任がHardだから誰が入っても強化だけど(笑)。
- Akaadianはチャレンジャーシーンから来たプレイヤーで過去には一時期レンガー専だった時期もある。おそらく最初は緊張するだろうけど、技術的には優れたプレイヤーであるのは間違いない。ソロキューで当たったことあるし。
- FroggenもKeithも悪くない。悪くない。
8位 Envy
- なんか凄いことになってる。ボットレーン2人が英語話者で、ソロレーンとジャングルが韓国語話者。
- 選手ラインアップとしては凄いかもしれないけど、連携力は望めないだろう。ソロレーンが大キャリーする試合はあるかもしれないけど、ソロレーンとジャングルが韓国語で話しててボットレーンが英語で話してたら連携は無理。
- Seraphの英語はかなり上手だけど、それでもたぶんボットレーンの2人は孤立するんじゃないかな。
- さっきも言ったけど、他のチームが凄い強化をしてきてるから。
7位 Phenix 1
- 選手ラインアップ的には凄まじい。でもチームとしてどうか?と言われたら酷いもんだと思う。
- メンバーは Zig、Inori、Ryu、Arrow、Adrian。
- Zig はまあ安定、凄くいいわけではないけれど、全然悪くない。Inori もかなりうまい。
- そしてRyu(元H2K)とArrow(元KT)。ふたりとも元々の地域であれだけの活躍をしてきたわけだから、当然すごいスキルを持ってる。
- ただ問題はArrowとAdrianのコンビだ。別にAdrianが悪いわけじゃない、そりゃ去年プレイオフでは失速したけど、別に彼の技能に問題があるわけじゃない。
- 問題はArrowの英語はおそらくそれほど上手くないだろうから、ボットレーンコンビが意思疎通できないということだ。
- ボットレーンで連携が取れないと相当しんどい。Ryuが英語流暢で通訳できる可能性もゼロじゃないけど、ミッド選手を挟んでボットがやりとりするのは難しい。
- さらにZigもInoriもまず間違いなく韓国語しゃべれないだろうから、チームとして機能するのに絶対問題が生じる。
- さっきも言ったけど選手ラインアップ的には素晴らしい。ただチームとして機能しないと思うからこの順位。
6位 Immortals
- 選手ラインアップ、話題性はあるよね。Flame(大物だ)、Dardoch(性格とかで話題だ)、Pobelter(誰もが認める安定のミッドレーナーだ)。
- そしてボットレーンのCody SunとOlleh。
- Cody Sunについて説明すると、チャレンジャーシーンから来た選手で、Biofrostと同じチームにいた。
- 大事なのは、LCSに来たばかりのADCは時にサポートに引っ張ってもらいながら成長しなくちゃいけない。
- どのADCも成長しようともがいてる。そしてサポートとの連携が強ければ、成長速度は上がる。こちらの行為に思いがけない反応を返してくれて、それが成長に結びつくこともある。
- 2人が別々に成長していくんじゃないんだ。自分のときも、相方がBiofrostであれAphromooであれ、共に学ぶということがすごく大事だった。そうすることで、強豪相手よりも速く成長できるわけだから。
- Ollehについてはそれほどよく知らない。韓国出身だけど、英語は結構上手だった。ただ異なる地域、異なる文化圏から来たことは間違いないわけで。それがマズいわけではないけれど、果たしてコンビとしてうまく機能するかと言われると難しい点もあると思う。
- そもそもトップ側でHuniとReignOverの代わりになるプレイヤーなんかいないだろうから厳しい戦いになるのは仕方ない。Dardochはまあ大丈夫だろうけど、別に凄くいいわけでもない。
- 総合すると、トップ側は弱体化、ボット側は不安が残る、ミッドはド安定。だから6位。残りのチームが相当に強化されてるから、この順位は公平な評価だと思う。
5位 Team Liquid
- 選手ラインナップ的には、正直言って普通。
- Lourlo:フーン
- ReignOver:ヤベエ
- Goldenglue:フーン
- Piglet:ヤベエ
- Matt:結構いい
- TLには「4位の呪い」と、もう一つ「すげえ選手揃いなのにチームとして機能しない呪い」がある。
- 「Breaking point」を見た人もいるかもしれない(訳注:僕も軽く記事書きましたが左のAutomaton記事のほうが遥かに素晴らしいのでそちらをどうぞ)けど、ずっと選手・コーチの間でいざこざが絶えてなかった様子。
- 去年より良くなったといっても、イコール今年は凄く連携が良い、という意味にはならないからね。
- ReignOverとPigletは間違いなくトップクラスの選手だけど、他の3人がどこまで成長できるかは未知数。
- Goldenglueはちょっと精神的に弱いところがある気がするし。
- そもそも去年戦った時もあまり強い印象なかったからなあ。TLがトップ3に食い込んできたら、驚くと思う。
- 5位にした理由は、ReignOverとPigletだけですでに5位はいけると思うから。あとはチームの連携力にかかってる。
4位 Dignitas
- とんでもなく話題になったよね。多くの人がトップ2~3位に入ると評価してる。僕もかなりいいチームだとは思う。
- ちなみに、新生DignitasはAPEXが買収されて名前変わって復活したチームだよ。
- Ssumday Chaserは文句なしのスターだ。世界最高峰のトップレーナーと、LCK有数の名ジャングラー。このトップサイドコンビは、新たなHuni+ReignOverになるかも。
- LODとXspecialは過小評価されてると思う。前シーズン、XspecialはApolloと組んでた。彼は態度に問題があるとか言われることもあるけど、経験は豊富だし堅実ないい選手だ。でもXspecialはアグレッシブでプレイをガンガン作っていくタイプのサポートなんだよね。
- その相手がApolloというのは相性最悪だった。だから今回LODと組んだら、かなり大きな影響力を発揮できる可能性はあると思う。
- Keaneは…メタチャンピオンを使えないのが好くない。正直、チームの弱点になると思う。メタのチャンピオンに対して、「自分がカウンターだと思うチャンピオン」を当てるのが彼のやり方だけど、メタのチャンピオン自体は自分で使わない。
- 正直言ってKeaneとは一緒にプレイしたくない。メタのチャンピオンというのは一番有効なチャンピオンだから、まずはそれを高いレベルで使いこなすべき。その後、チームがOKを出したら「俺的カウンター」を出すべきだと思う。ずっとそればかりってのはダメだ。
- 「かっこよさげ」で個性的なピックが好きじゃないんだよね。汎用性が乏しく、信頼性も低い。大抵の場合、結果も伴わないし。
- ボットコンビは間違いなくトップ5には入るし、トップ&ジャングルコンビも相当強いから、総合的に見て彼らを4位とした。
- このチームの場合は、ボットは放っといても負けずにちゃんとやれる自立力がある。そこに神がかったトップとジャングルのコンビがいる。この場合、ボットコンビはそれほど韓国コンビとコミュニケーションを密に取らなくても大丈夫だと思う。ただ韓国勢のリードに合わせていく感じでいけばいい。
- それでも他の人が言うみたいに、首位独走のスーパーチームにはならないと思うけれど。
3位 Counter Logic Gaming
- これは議論を呼びそうな順位付けかな。好きな人も嫌いな人も多いチームだからね。
- でも忘れちゃいけないのは、このラインアップはもう3スプリットも変更なくプレイし続けてきてるってこと。
- 変更がなかったチームは唯一彼らだけだ。
- 3位という上位に評価したのは、彼らがチームとして全方位的に隙がないから。そしてコーチのTony(過小評価されてると思う、とのこと)にはちゃんとチームをまとめ上げる力がある。
- StixxayとAphromooはいいボットレーンコンビだと思う。Huhiはパフォーマンスがパッとしない、弱点みたいな扱いをされることもあるけど、実のところDarshanもちょいちょい酷いプレイをしてる。Xmithieは堅実に良いプレイをしてるけど。
- だから彼らが躍進できるかどうかは、HuhiとDarshanがしっかり活躍できるかどうかにかかってると思う。繰り返しになるけど、チームとしてのまとまりは素晴らしいから。
- チームとしてあるべき姿を体現してる。アグレッシブにもなれるし、不利な状態からでも盛り返せる。いいチームだよ。
2位 Cloud9
- いろいろな理由があるけど、2位はC9。正直上位3チームは混戦になると思う。
- だから勝つ確率が高そうなチーム順に並べてる。前回も2位だったし、あの時点で北米で2番めに強いチームだったことは間違いない。
- TSMは3-1で勝ったけど、いいチームだったと思う。Impactはモンスターだしね。All-Starで一緒にプレイしたけど、ほんとに凄いプレイヤーだ。
- All-Starに出たメンバーなら賛同してくれると思うけど、選手として、コミュニケーションも態度も素晴らしかった。
- そしてモンスターと呼べるトップレーナーがいるっていうのは、今のメタでは凄く大きな要素だ。
- どうやらS7はトップ、ジャングル、ミッドが重要になりそうだから。しかもFlame Looper Ssumdayが北米に来てるわけだしね。
- トップがド安定してるというのはC9の躍進を絶対的に支える要素になる。
- 他のメンバーも、Jensenは安定した選手だし、SneakyとSmoothieも結構いい。Meteosの代わりにContractzというのはまだクエスチョンマークだけどね。
- 総合的に見れば、C9は前シーズンとほぼ同じチームと言っていい。これまでずっとまとまったチームとして機能してきたし、後衛のJensenとSneakyも安定感ある。だから、2位。
1位 Team Solo Mid
- 驚きの第1位はTSM(笑)。所属チームだし、なんだそりゃって思う人もいるだろうけど。
- 客観的に見てTSMは相当いいチームだと思うから。トップ、ジャングル、ミッドは相変わらずの安定具合でS7の対応はバッチリだと思う。
- 元々序盤に有利を作れる3人だったけど、北米はこれまでもずっと序盤に有利を作ったチームがそのまま勝ち切る試合が多い地域だから。
- Bjergsenは間違いなく北米トップのミッドレーナーだし、たぶん欧米トップと言ってもいいかな。今シーズンも対面圧倒すると思う。
- Svenskerenは過去数スプリットで成長を続けてるし、それは今年も止まらないと思う。あと、韓国ジャングラーに強いという特性があるんだよね。ReignOverにも強かったり。
- それからマイ・ボーイHauntzer。時には下手も打つけど、そういうときはめっちゃキャンプされたりしてる。でもそれでも、きちんとレーンは守って、1v1では負けないでいる。北米トップレーンで1v1やらせたら上位だと思う。韓国勢が来た今でも。
- そしてボットレーン。WildTurtleとBiofrostの2人は、それぞれ高いレベルでプレイできることを実証済み。あとはTSMという優れた環境で、コンビとして成長するだけ。問題は無いと思う。チームメイトもコーチも素晴らしいから。
- ってこれじゃ自分のところを褒めちぎってるばっかりみたいだけど、もちろん楽園ってわけじゃない。ただ北米の水準で言えば、かなり優れた環境・文化を持っているのは事実だ。
- 自分が対戦するとしたら突いていくのはボットレーンだろうけれど、現状、ボットレーンを潰して試合を作るのは簡単じゃない。ボットは今あまり試合への影響力が強いレーンじゃないからね。
- 万が一ボットにキャンプされても、HauntzerとBjergsenが他のレーンで勝ったら意味ないし。
以上、DoubleLiftのNA LCSパワーランキングでした。ご視聴どうも。
----
とまあこんな感じの内容でした。
文字にすると彼の冷静な雰囲気が出にくいですけど、僕が見る限りとても冷静に物事を見ていて、いわゆる「煽り」はゼロでした。単に理由を添えて意見を述べているだけ。
正直、プロのストリーム見てても話している内容が人間的になんか合わねえなって思って見続けられない人が結構いるんだけど、DoubleLift氏はいつでも悲観的にならず、勝つには、自分の仕事を十全にこなすにはどうしたらいいかを考えるタイプで見ていて楽しいです。Summer Split、うまく復帰できることを期待したい。
元相方AphromooがThescore Esportsのインタビューの流れで「DLはストリーマーやってたほうがいいんじゃなーい?」とか言ったと報道されてアレな感じになってますが、まああれも文脈ありきで「プロってしんどいからね、ストリーマーのほうが稼げるし、それでよきゃそりゃそっちのが楽でいいよ」みたいなノリだったので誤解なきよう。
さて、NA LCSどうなりますかねー。個人的にはTeam Liquidがきちんといいポジションでプレイオフまで進み、ちゃんと勝ち残ってMSIとか出て欲しいなーって思いますけど、やっぱり上位4チームには勝てないかなあ…。