NA LCS プレイオフ分析:Jatt's Stats TSM & TL 翻訳
LCSはプレイオフも始まり、贔屓チームの応援にも力が入る時期になってきました。
それに合わせてLoL eSportsの公式チャンネルでは、Jatt氏 (アナリスト/キャスター) がシードの2チーム (IMT、CLG) を除く4チーム (TSM、C9、TL、NRG) の戦績データを分析する短い動画を公開。
僕がうだうだしている間に試合が行われC9とNRGが敗退してしまったので、勝ち上がったTSMとTLの分析動画を聞き取って翻訳してみました。これで今週末からはバッチリ予習済みで観戦できますね!
しかしアナリストってこんな数字まで補足して見てるんだなーと興味深かったです。色んな略語が飛び交っていましたが、この記事で覚えて、ぜひ以後皆様ご活用ください(何
では、以下よりTSM、続いてTLの分析です。
Team Solo Mid
プレイデータ的にはTSMにとって過去最悪のスプリットになったのは間違いない。
スプリット前半は6勝3敗といい調子だったものの、後半は3勝6敗とまったく振るわなかった。
そしてプレイオフ出場チーム (上位チーム) との対戦が3勝7敗と全然振るってない。下位チームとの戦績は6勝2敗と悪くなかったが。
チームデータ
実に多くの分野において「そこそこ」の位置にいる。
- チームのキルデス比は 0.89:1と非常に低い。
- デス数も243と、8チーム中下から3番目。
- CKPM (Combined Kills Per Minute、両チーム合計キル数/分) は0.74で3位、つまり、キルやデスが多数発生する試合が多い。
- WPM (Ward Per Minute、ワード数/分) は0.6963位とこれについては比較的良い数値が出ているものの...
- WKPM (Ward Kill Per Minute、ワード破壊数/分) は下から3番目と、ビジョン管理をし切れないでいる。
メンバーのデータ
Bjorgsen
悪い成績ではないものの、これまでの成績と比べると見劣りするのは確か。
- CSD@10 (CS Differential、10分時点での対面とのCS差) は 8.6で首位なものの、他のデータについては大きく劣っている。
- DPM (Damage Per Minute、ダメージ/分) は558で7位。
- Teams Gold % (チーム内におけるゴールド獲得比率) も6位で振るわない。
Yellowstar
- デス数が54でサポート最下位。
- WKPM (Ward Kill Per Minute、ワード破壊数/分) も0.28で9位と、ビジョン管理もできていない。Fnatic時代にはデス数最小、WKPM最多だったことを考えると活躍できていないのが分かる。
Svenskeren
- デス数が61でジャングラーとしては2番めに多い。
- FB% (ファーストブラッド関与率) は11%と、スタメンジャングラーの中では最下位。
- DPM (Damage Per Minute、ダメージ/分) は359で4位と、この点だけは振るっている。
チャンピオン選択
TSMは今季、あらゆるスタイルのチーム編成をこなすことを目指していたようだが、それはピックしたチャンピオンの数にも現れている。また数だけでなく、まったくスタイルの違うチャンピオンがピックされている点も注目。
Doublelift選手がピックしたチャンピオン数はNA ADCとしては一番多い。これが問題を端的に示しているように思う。いわゆる器用貧乏になっており、特別に得意とするスタイルがない。
このプレイオフでは、得意なスタイルを築き上げて、それを磨いていけるかが課題になると思う。それができなければ、LCS NA始まって以来初めて、TSMが決勝に出てこないという事態も起こりうる。
Team Liquid
スプリット前半は4勝5敗と低空飛行だったものの、後半は6勝3敗と盛り返してきた。
プレイオフ出場チームとの対戦は4勝6敗であるものの、このデータ、実は全体で見ると4位で、好成績とも言える。
チームデータ
4位が実に順当であるのが反映されたデータと言える。
- 平均試合時間36.1分は4位。
- Gold Lead @15 (15分時点でのゴールド差) も+357で4位。
- デス数の少なさも190で4位。
一方で非常に優秀な成績を収めている分野もある。たとえば
- チームのキルデス比は1.28:1で2位。
- GSPD (Gold Spent Percentage Difference、消費ゴールド比率差) も5.4%で2位。このGSPDはゲーム終了時にチームが消費したゴールド合計額の差を示す指標で、これが高いということは試合が圧倒的な勝利であることを示す。この数字のランキングが実際の順位よりも高いということは、プレイオフに向けては良いデータであると言えると思う。
メンバーのデータ
Fenix
- CSPM (CS Per Minute、1分当たりのCS数) は9.7という化物のような数字を叩き出している。この数字は北米、欧州、韓国、中国、台湾のMidレーナー全部ひっくるめてもトップというすさまじいもの。
- もちろんそれには代償があるわけで、Kill Part. (キル関与率) が69.7%で8位、WKPM (Ward Kill Per Minute、ワード破壊数/分) も0.1で10位とあまり試合に絡めていない。
では誰が試合を動かしているかというと...
Dardoch
- 今スプリットで最優秀ルーキーに輝いた。
- キル数は54とジャングラー1位。
- KP %(Kill Participation、キル関与率)も78%で1位。
- Gold Lead @10 (10分時点でのゴールド差) も+289で2位。
- 唯一低迷している成績がWPM (Ward Per Minute、ワード数/分) で9位。これは彼がサイトストーンをまず積まないこと、そして (緑ではなく) 赤/青スマイトを選択することが多いのが理由。
Lourlo
彼はよくTLの弱点のように見られる。
それはCSD@10 (CS Differential、10分時点での対面とのCS差) が-8.7で10位、Team DMG% (チームにおけるダメージ比率) は15.6%で9位という数字を見ればそうかもしれない。
ただ彼の存在を語るには、ここで一歩引いて全体像を見る必要がある。タンクをプレイすることが非常に多いことを考えると、実は彼はチームをうまく補佐し推進するという目的を果たしている。
アシスト数132は北米TOP 1位だし、前半でCS差をつけられ、なおかつ多くの戦闘で矢面に立つにもかからわずデス数が43で5位というのは良成績だ。
チャンピオン選択
Lourlo
- タンクをメインにプレイしているのが見て取れる。
- クインとルル以外全部タンク。
Fenix
- プレイしたチャンピオン数12はNA LCS最多。
Piglet
- 多様なチャンピオンをプレイしているものの、メインはルシアン。
Matt
- アリスターを6度ピックしているものの、実はその際の戦績は1勝5敗と大きく負け越している。
全体的には、Lourlo選手がポッピーまたはノーチラスをピックし、Matt選手がジャナ/バード/スレッシュ/モルガナのような非近接攻撃チャンピオンを選択した時に一番よい結果が出ている。
結論をいうと、TLのデータは4位のチームとしては非常に良いといえる。特に、途中まで6位のチームだったことを考えると素晴らしいとすら言える。
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