LYE の League of Legends メモ

League of Legends プロリーグ LCS の解説を翻訳したり、同作や MOBA ジャンルで使われる英語を説明したりする予定。

NA LCS Team Liquid Dardoch選手インタビュー翻訳

今日はTeam Liquidファンボーイとして連敗脱出した同チームから、ジャングラーのDardoch選手インタビューを翻訳してみようと思います。先日からジャングラー特集みたいになってますが特にそういう意図はありません。ソースは先日と同じくtheScore esports。

調子の悪いチームの内情とか聞ける機会もあんまないし、Dardoch 選手は先日チーム内で謹慎処分を受けたりしてたので、こういった話を聞けるのはおもしろいですね。

彼はなんというか強気で真面目で裏表ない感じの人柄なので、これからも頑張ってほしいなと思います。

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動画はこちら

youtu.be

 

Scarra: 2ゲーム連取でEcho Foxに勝利したばかりだけど、率直に今の気持ちは?

Dardoch: 正直、まあまあという感じかな。勝てたのは良かったけど内容がひどかったから腹が立っているというのも本当。

Scarra:どうして内容がひどくなったんだろう? ゲーム1ではRengarをピックして、チームもそれに合わせて構成した感じだったけど、どうして綺麗に試合を決められなかった?

Dardoch: ゲーム1については、こちらにZilianとRengarがいるとはいえ、究極的には相手がこちらに突っ込んでくるのを待たなくちゃいけなかった。こちらからUltで突っ込んでもピンクワード置かれて退却されるってのが4、5回、いやもっとあったかもしれない。で、そこからコミュニケーションが途絶してしまって、チームが何度も孤立したところを相手に捕まって…ただ結局はチーム編成で勝ってて、知力勝負でも勝ったから試合を決められた、って感じだったと思う。

※Dardoch選手はLCS前まで自認する「Rengar専ジャングラー」で、「自分はRengarが得意で、そこをベースに他チャンピオンの使い方を覚えたプレイヤー」と言っています。

Scarra: ゲーム1についてだけど、ジャングルのBanはRek'Sai一体だけだったけど、Echo Fox側はEliseで来るっていうのは読んでいたのかな? (Echo FoxのEliseピックはTLのRengarピックの後だった)

Dardoch: Eliseは確かに予期しているピックだったよ。Hard選手のチャンピオンプール(得意とする"手持ち"チャンピオン)的に、Rek'SaiをBanすればあとはKha'zixとGragas、Eliseだったし、この状況ではKha'zixはあり得ないからどちらかだろう、ならRengarで行けるという判断だった。

Scarra: Matt選手は遠距離攻撃のサポートチャンピオンを得意としているけれど、Bard以外の遠距離サポートだとイニシエートできないよね。それに加えてTopレーンのメタはタンクからダメージ出せるチャンピオンに移行している。そうなるとイニシエートの責任が君に大きくかかることになる。今回の試合でもかなりイニシエート役やってたよね。Rengarでしくじったところもあったけど、それでもかなりの回数仕掛けてた。そういった責任が自分にかかってくることについてプレッシャーになったりはしたのかな?

Dardoch: いや、プレッシャーは問題ないよ。Spring SplitでもGragasやLee Sinみたいなチャンピオンをたくさんプレイしていたし、そういうチャンピオンでFlashからのイニシエートはこれまで数えきれないくらい仕掛けてきてるから。正直言えば、イニシエート役のほうが好きなくらい。ただRengar以外でね (チラっとScarra氏の目を見る)。

Scarra: なるほどね (笑) さて話題は変わるけど、最近君はチームから謹慎受けてたよね。そして代わりにMoon選手が入って数週間プレイしてた。このあたり、どういう経緯で謹慎になったのか、そして結果的にMoon選手じゃなく君がスタメンに戻ってきたのかについて話を聞けるかな?

Dardoch: 謹慎の理由は自分の態度に問題があったから。チーム内で衝突を繰り返してて。主に自分とLocodocoコーチ、Piglet選手の間で「How League of Legends is supposed to be played (LoLはどのようにしてプレイされるべきか)」の考え方が違ったことが原因で。3者ともに異なる考え方を持っているところに、自分が若くて未熟だから語調を荒げたかんじの口論になってしまった。ほんとうに、結論めいたものも出てこない、単純な怒鳴り合いみたいになってしまって。正直、自分は時間を置いて落ち着く必要があったと思う。そういうわけでTeam Liquid Academyに移籍して数週間プレイしたんだ。今はずっといい状態になっているけどね。

Scarra: なるほどね。さて繰り返しになってしまって悪いんだけど、Moon選手はどうだったのかな? 本番でのパフォーマンスだけでなくて、君の不在中に彼がチームにもたらしたものとか、価値とかそういう点では。

Dardoch: 色んな人がMoon選手のことを明確な理由もなくこき下ろすけど… よくある言い方になるけど「模擬戦では」彼の技術はとても素晴らしかったよ。自分と同じか、それ以上だったと思う。でも本番では失敗が多かったね。大きな違いがあるとしたら、自分のほうが彼よりもずっとコミュニケーション能力が高いということかな。

Scarra: なるほど。さて、Team Liquidは他のチームと違って、Spring Splitからスタメンが変わってない珍しいチームだよね。そんな君たちにとって、今の強みと弱みってなんなんだろう? 特定のスタイルが馴染んできたとか、そういうところもあるのかな?

Dardoch: 以前はPiglet選手を中心にしたチームだったよね。僕がファーミングで一歩先を行ったら、その有利をBotレーンに突っ込む、Fenix選手がMidを押しこんだらBotに流れる、Lourlo選手がテレポート有利を取ったらBotにテレポートする、そういう感じだった。

一方でLourlo選手はキャリーチャンピオンで知られる選手だった。IreliaとかRivenとか。で、当時は毎週頭に彼と「どのチャンピオンで行きたい?」って話し合って、試してみたんだけど、結局うまく行かなくて、最終的にタンク系チャンピオンに落ち着くという結果になってた。でも今やメタはキャリー系になってきてるから、これまでみたいにBot頼みというのは通用しなくなった。だからチームとしてスタイルを模索している最中というのは間違いないね。

Scarra: そのスタイル模索中っていうのが、試合運びが綺麗にいかない理由なのかな?

Dardoch: いや、そうじゃないよ。理由は僕らが全員Tilt (主に「心が折れる」という意味で使われる) しやすいプレイヤーだからだよ (笑)。

Scarra: 分かる気はする。CLG との試合もそうだったよね。じゃあこれからどうやってTopにプレッシャーをかけて、スタイルを見つけ出していく予定なのかな? 今後の目標というか予定は?

Dardoch: まず僕らはもっと地に根を張って、Tiltしないようにならなきゃいけないよね。CLG 戦では正直自分は心折れてたし。これからは過去の自分達のパフォーマンスと現在を比較して、その差をしっかりと認識しないとね。心の底から勝ちたいと思ってるし、そうやって行動を見直しつつ練習していけば結果はついてくると思う。

Scarra: もし君が謹慎になってなかったら、事態は変わっていたと思う?

Dardoch:そりゃあ自分がいたら何かできただろうって思うところがあるのは間違いないよ。Moon 選手がいた時もチームとしてまとまっている雰囲気もあったけど、Spring Splitやプレイオフの時と比べたらまだまだだったと思う。

Scarra: ありがとう。最後に、君のファンやアンチに一言あれば。

Dardoch: ファンでもアンチでもTwitchでの視聴者であることには変わりないよね (苦笑)。ファンのみんなには、いつも僕やチームを支持してくれてありがとうって伝えたいな。

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以上、Dardoch選手とインタビューScarra氏でした。

やっぱりプロでも、プレイオフで善戦するチームでも心は折れるんですね。これが日本のシーンにとって何らかの役に立てば幸い…。

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