2016 NA LCS Summer Split: CLG vs TL: W8 D2 解説翻訳
そろそろこのブログの名前をLYEのTeam Liquidファンブログにしようか真剣に考え始めましたこんにちは。
先週末のNA LCSはTMS vs P1 など物凄く盛り上がる試合がたくさんありましたが、今日はその中でも僕の大好きなTeam Liquid対最近調子を上げてきているCounter Logic Gamingの試合 (合計3ゲーム) についてつまみ食い翻訳していきたいと思います。
実はBest Of 3形式になってから、どうやったら試合解説を読みやすく面白くできるかずっと考えてたんですが、今回のこの試合はシリーズを通じて解説が「つながる」感じがして、大変興味深いなと思いまして。
なお、つまみ食いという性質上、今回は箇条書きでいってみたいと思います。読みにくい、読みやすいなどフィードバックがあればぜひ教えてください。
試合開始前のAphromoo選手インタビュー
- TLはFabbbyyy選手の起用によって大きくスタイルが変わった。
- これまではPiglet選手を中心としたBotレーン重視のチームだったのに対し、今はFabbbyyy選手がユーティリティ (ある種の補佐的役割、キャリーの対義語)プレイヤーとして動いているので、Dardoch選手がTopやMidのソロレーナーに対してもっとリソースを割けるようになってる。だから今回以降は、Dardoch選手により一層注意を払わないといけない。
キャスターデスク雑談
- Jatt氏: Matt選手は若いAphromoo選手なんて呼ばれている。両者には色々と共通点がある。レーン戦が落ち着いてロームをしだすと手がつけられない、とかそういう点以外にも、Aphromoo選手が初めてデュオを組んだのがDoublelift選手、Matt選手がPiglet選手、どちらも非常にレーン戦が強い選手で、ふたりともそれに見合うスキルを身につけるために努力を重ねた。そして最終的にさまざまな事ができる選手にまで成長している。そういう意味で、Matt選手はこれからAphromoo選手の動きからいろいろとインスピレーションを受けられるのではないかと思う。
ゲーム1: Pick & Ban
- TL Ban: Jaxは順当。Darshan選手がJaxをPickしたときCLGは勝率が高いので。
- CLG 1st Pick: VladimirはNerfが来て再優先で取りに行くチャンピオンではなくなったものの、最近Huhi選手のパフォーマンスがVlad以外のチャンピオンで安定していないので、これは良いピックだと思う。
- TL 1st Pick: Sivirは現在LoLで一番強いチャンピオン、という評価があるくらいなので、Banから漏れたなら可能な限り早い段階で取るのが吉。併せてKarma を取ったことで、SivirのUltに対抗するチーム全体のスピードアップスキルを相手に与えないという効果も期待できる。
- TL 3rd Pick: Irelia はCLG Darshan選手のGnarを「刺せる」ピックです。これまでもGnarが主流ピックだった時にはその対面としてIreliaをピックする動きはありましたが(今回もそれですね)。ここのところLourlo選手はキャリー系のチャンピオンで良い結果を出し続けてきています。Spring Splitの頃は「これといって目立つところのないタンクプレイヤー」だったとは思えないくらいに。
ゲーム1: 試合中
- CLG、Botへのガンクが何度も決まり、Stixxay選手のAsheに3キル集まる
- Fenix選手のCassiopeia、ソロキル含めて13分の段階で3キル獲得
- Jatt氏: CLGのこの構成は、とでCCを重ねて、あとはなんとか他のメンバーと相手を殲滅していく、というのが流れになるので、この流れは良いですね。あとは他のレーンが大負けしなければ...
- Jatt氏:Dardoch選手のは、CLGのTopとMidを執拗に攻めて、CLGの勝利条件である「ソロレーンを大負けさせず、Botレーンデュオで相手を仕留めていく」を崩していっていますね。
- (私見:ちょっとした見どころ)Jatt氏:(のUltを受けてもFlashすら使わずやりすごしたDardoch選手のを見て)ああ、早々にMercury's Treadsを積んでますね。耐久力の低いチャンピオンであれば、スタンはQSSやクレンズで対処するもの、というのが昨今の流れですが、タンクであればがかなり有効なんですよね。これはいい買い物だと思います。
- Jatt氏: (Blueチームの赤バフ付近でTLが2人の犠牲でAceを決めたことについて) これが今のTLのスタイルなんですよね。の美しいUltが決まってを沈めましたが、TLのソロレーナー2人と こそがダメージ上の脅威なので。
- Jatt氏: Dardoch選手、Matt選手、Fabbbyyy選手、この3人が敵を引きつけている間にFenix選手とLourlo選手が相手を殲滅する、というのがPiglet選手を外してからのTLの勝ち方ですが、このスタイルはCLGにもしっかり通用していますね。
TL、最終的にDardoch選手が死亡した状態で4v5を強いられたにもかかわらず、Aceを決め、その勢いでインヒビタータレットを折り、力押しでそのままネクサスまで折って勝利。
ゲーム2: Pick & Ban
- TL 3rd Banで。前回大きな成功を収めたをBanしてきました。そして最後の枠でもをBanしなかったのは...これはたとえ取られてもLourloが対応できる、という自信の現れか...?
- CLG 3rd Banで。CLG、自分たちで使わないにしても、相手には取られたくない様子。それほどまでに評価しているということか。
- TL 2nd PickでLucianとSona。を取られてがBanされているので、あとはユーティリティ的なマークスマン筆頭はJhinあたりを取りに来るかと思いましたが...これは意外。現在プレイ中のパッチはにホットフィックスが当たる前なので、SoloQで恐ろしい勝率を上げていた時点でのです。ただ競技レベルになるとSoloQとは事情が異なって来るとは思いますが...地の性能としては非常に高い、というのは間違いないでしょう。しかしこれはかなり心配ですね。Fabbbyyy選手にとなると、彼が試合をキャリーするスタイルになると思います...が今のところそのスタイルではなかなか勝てていないんですよね。これがPiglet選手だったら、このBotレーンデュオはやばい、かなり脅威だ、となると思うんですけれど。
- CLG 2nd Pickで。CLGはTopレーンのチャンピオンを先に晒してでも、Midレーンのカウンターを取りたいということか。しかしこれは好きじゃないかな...では、先ほどの試合でもLourlo選手のをPeelできなかった。そもそもは今のメタで先出しできるチャンピオンというには心もとないと思う。
- CLG 3rd Pickでと。特にはまたしても驚き。どうやらTLは本当にBotレーンをスノーボールさせて試合を決めるつもりの様子。
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先ほどあれだけ圧倒的に勝てたTL側がこれほど大きくスタイルを変えてくるのはちょっと分からないですね。正直どうなるか分かりません。
ゲーム2: 試合中
- (TL、初手で相手青バフを奪う。Botレーンの押し混み具合、Jglのルート取りが興味深かったので気になる人は最初の3分くらいをご覧ください)
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(私見:ちょっとした見どころ)Dardoch選手のRek'Saiですが、12分の段階でジャングルアイテムよりも優先してを積みました。これ、韓国のプロの間でも流行してるのビルドなんですが、ジャングルのクリアが速くなること、そしてタイマン性能が高くなることの2点からとても強力です。今後北米でもより頻繁に見られるようになるかもしれません。
- TL、何度かタワーダイブをしかけていくものの、逆に負けることが何度か。そのたびにJatt氏から「連携に欠ける」、「アグレッシブ過ぎる」と評される。
- 結果、Huhi選手の、先ほどの鏡写しのようにキルを重ねて手がつけられない火力に。
- Jatt氏: (CLGがMid Tier 2 を折った後) 普通ならCLGはそろそろ1-4か、1-3-1を仕掛けたいところですが...そしてCLGはそれも得意なんですが、実は5v5の集団戦も非常に得意で、さらに今はノリまくってるMidもいる...さてどうするか
- 結局、Baron Buff付きの5人でまとまってBot Tier 2にシージを仕掛け、Inhibitor タレット前で仕掛けてきたTLを死亡者なしで4人倒し、勝利をつかむ
- Jatt氏: 今回の試合、TLは疑問の多いDraftでした。そもそもFabbbyyy選手のはLCSのステージでは全然結果を残せてない。そしてFenix選手の。試合1ではMVPだったのとは完全に逆で、非常に大きなミスをなんども犯してしまった。
ゲーム3: Pick & Ban
- CLG 1st Pickで。
- TL 1st Pickで&。CLGはメタにおける強チャンピオンを押さえ、TLは今日のこのシリーズにおける強チャンピオンをピックした格好。
- Fenix選手はTLのなかで唯一ネイティブ英語話者じゃない。そんな状況で他者のタイミングに合わせてロームしたり集団戦をするのは非常に難しい。その点、ならばしっかりファームして、集団戦で火力を出すという、彼にとってやりやすい形にもっていけるのではないか(訳注: NA/EU LCSではこの話題は多く、韓国や中国のスター選手が活躍できない大きな要因として扱われることが多いです)。
- CLG 3rd Pick: 先出しでTop。TLがどう対応してくるか、興味深い。おそらくタイマンで勝負になるを持ってくるのではないか(実際そうなった)。
- 対なら、少しだけが有理か。
ゲーム3: 試合中
- 至るところでキルの取り合い。
- (私見:ちょっとした見どころ)TL Matt選手のがHuhi選手に対してFlash > Ultを何度も試みるが、Huhi選手が素晴らしい反射速度でFlashし、逃げる。
- (24分経過) Jatt氏: の終盤におけるダメージは圧倒的。対するは&が揃った現時点が相対的に最も強い時間帯。しかしFabbbyyy選手は先の試合でも何もできていなかった。CLGはこのままが育つのを待ち、クリティカルヒット連発の W (跳刃) で相手を圧倒できるようになるまで我慢する戦略を取っていくのではないか。
- TLのチーム編成的に、も (流行ビルドの場合)も終盤失速するチャンピオン。これをどうするかが課題。
- (30分経過) Jatt氏: Fenix選手の、1試合目では相手がだったのでMorellonomiconを積んだものの、今回は対面がなのでRylai's Crystal Scepter & Abyssal Scepterで多少のタフさを持たせている。
- (30分経過) Phreak氏:一方Huhi選手の、まだVoid Staffを積んでいませんね...相手のタンクを倒しきることを考えると、持ってないとマズいと思います。
- TL、集団戦を制してBaronを獲る。ゴールド差5000。
- (32分経過) Huhi選手、を積む。Stixxay選手の、Mortal Reminderを積む。
- Jatt氏: TLはDraftで有利を取り、それを活かしているといますね。
- Phreak氏:TLは過去、とにかく急いで勝ちに行くチームだったけれど、今や着実に勝ちを取りに行けるチームに進化してきています。
- 解説、「TLよいチームになりました、プレイオフが楽しみです」ムードに。集団戦も圧倒して再度Baronも獲る。ゴールド差、最大11000。
- エルダードラゴンで集団戦、Stixxay選手が凄まじいダメージを叩き出し、Huhi選手もきちんと火力を出しきり、CLGが死者ゼロでAce→逆転大勝利!
- 勝利時点でもゴールドは5000差!
試合後インタビュー: Aphromoo選手
- Q:まずは率直に、どんな気持ち?
- A:この一週間、意識的に劣勢からどう戦うかを練習していた。その成果が出たと思う。本当に良かった。
- Q:すさまじい劣勢だったのに、最後の集団戦、勝てると思ってた?
- A:もちろん。場所とタイミングさえ揃えば、勝てると思っていた。前線が伸びていて、後衛の火力を発揮するまでにタイムラグが生じるあのタイミング。ドラゴン周辺の狭い場所。それができた。
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以上です!
すっごく面白い試合でした。(TLファンじゃなくても) ぜひご覧ください!
あとは、TSM vs P1 も大変見応えのある試合だったので、先週の試合はあんまり見てないなーという人はそちらもぜひ。
TSM vs P1 - Game 1 Summer Week 8 Day 2 (NALCS1) - YouTube
P1 vs TSM - Game 2 Summer Week 8 Day 2 (NALCS1) - YouTube
TSM vs P1 - Game 3 Summer Week 8 Day 2 (NALCS1) - YouTube
以上、日本サーバー LYE がお送りしました! 今回新しいスタイルでつまみ食い翻訳してみましたが、どうだったでしょうか。ご意見などはこちらのコメント欄か twitter: @lye_ までよろしくです。