LYE の League of Legends メモ

League of Legends プロリーグ LCS の解説を翻訳したり、同作や MOBA ジャンルで使われる英語を説明したりする予定。

用語解説:「フリーバロン」って厳密にはどういう意味?

こんにちは。馬チーム好きです。UOL vs G2の試合が待ち遠しくてソワソワしています。TLのことは聞かないでください。これからです。これから。

 

今日は、解説とか翻訳してて端的に訳出するのが難しいなーと思った表現を一個かるく説明したいと思います。

Free は「タダ」でいいのか?

英語解説聞いていると、よく"This Baron is free (このバロンはタダ)" みたいな表現が出てきます。

状況だけ見ていると、単純に「タダ」で手に入るという意味に見えますが、厳密に言うとちょっとだけ違うんですよね。翻訳する時とか、そのへんのニュアンスをどうするか結構悩むのです。そこで誰得だよとは思いながらも、翻訳するときってこんな事考えてるんだよーという意味合いも込めてコレ書いてます。

フリーといえば、無料や自由という意味で使われる単語ですが、LoL(あるいはMOBAや祖先であるRTS)の場合、ゲームの前提となる概念と密接に結びついています。

これらタイトルが「リソースの奪い合い」であるという点です。

つまりMOBA系の解説は、何らかの成果を得るには時に代償が必要になるという前提のもとに話されているんですね。小さなものではダメージ交換もそれです(キャラクターの体力というリソースの削り合い)。

この前提が抜けていると「タダ」という単語の意味合いも少しだけズレてしまいます。

で、Freeはどういう意味なの?

「代償を一切払うことなく手に入れられる」という意味です。そのままですが、これをMOBA文法的に解釈すると「自軍は何らかのオブジェクトを確保するが、敵軍は何も手に入れられない」という意味になります。

つまり、このタワー/ドラゴン/バロンはFreeだ、と言う時、それは単に今なら安全に獲れるというだけの意味ではなく、「相手はその行動に対して何の対価も得られない」という意味があるんです。

なので、たとえばブルーサイドがドラゴンを獲る時にレッドサイドがタワーを折れれば、「ドラゴンとタワーの交換」になるので、これはFreeではありません。

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ここで「お、じゃあ一方的にハラスするのはどうなの?」と思った方!たしかにその通りで、「○○ Got tons of damage for free (○○は山ほどフリーダメージもらいましたね)」なんて言い方をする時もあります。相手は攻撃できない(敵のリソースを削れない)のにこちらは攻撃できる(敵のリソースを削れる)という意味で、損害なしの一方的交換(それは交換じゃないですけどまあ、便宜上)になるわけです。

 

はい、以上!

あと翻訳する時に困る表現としては「Mechanics」と「Skill Cap」などがありますが、それも需要がありそうならいずれ取り上げてみたいなと思います。正直言うとどちらもカタカナで通じるようになると色々楽だなー(ハナホジ)とか思ってます。

以上プレイは下手糞なLYEがお送りしました。