NA LCS プレイオフ分析:Jatt's Stats CLG & IMT 翻訳
今週末のNA LCSプレイオフセミファイナルを前に、Jatt氏がCounter Logic Gaming (CLG) とImmortals (IMT) のチーム分析動画をアップ、これで前回僕が翻訳したTeam Solo Mid & Team Liquidと合わせて、試合の予習材料が揃いました…ので! 翻訳してみたいと思います。
前回のTSMとTLの分析については以下を参照ください。
なお試合予定は
となってます!ライブ視聴はしんどい時間ですが楽しんでいきましょう!
公式サイトかYoutubeチャンネルなら録画を視聴できます。
では、以下よりJatt's Stats 翻訳です。
Counter Logic Gaming
スプリット開始前にMIDとADC選手を失ったCLG。しかし蓋を開けてみれば13勝5敗の2位でプレイオフ進出と好成績を残すことができた。Immortalsに唯一黒星をプレゼントしたチームでもある。
チームデータ
CLGは今回、非常にユニークなスタイルで試合を進めたため、2位のチームとしては少々変わった戦績を残してる。
- CKPM (Combined Kills Per Minute、両チーム合計キル数/分) は0.65で6位、つまりキルやデスの少ない試合が多いことを示す。
- K:D Ratio (Kill:Death Ratio、キルデス比) 1.2は3位タイ、AVG Gold Lead@15 (15分時点でのゴールド差) +806も3位と、ダントツで良いわけではない。
- 最初のバロン確保率も50%で5位タイとあまり優れた成績ではない。
- ただし最初のドラゴン確保率は78%で1位タイ、ドラゴン管理も70%で1位。これはマップ管理が非常に有効に機能していることを示している。Tempo*1が非常に的確で、それが相手に先んじて行動を起こせる原動力になっている。
メンバーのデータ
CLGは他のどのチームよりも1-3-1編成を使うことが多い。この時、ソロでプッシュするのはXmithie選手とDarshan選手の役割になることがほとんど。この戦略はメンバーの戦績データにも反映されている。
Stixxay
- DPM (Damage Per Minute:一分あたりのダメージ量) が低い。Team DMG% (チーム全体における与ダメージ比率) も9位と低い。これは、CLGが (ADCが一番ダメージを叩き出す場面である) 集団戦をあまり行わないため。
- 一方でAVG Gold Lead@10 (10分時点での平均ゴールド差) は+217で1位。これはもちろんレーン戦で勝利することが主要因であるものの、チームメイトがレーンスワップでタレット破壊時にゴールドをStixxay選手に譲る場合が多いことも要因のひとつ。
XMithie
- CSPM (CS Per Minute、1分当たりのCS数) が4.5で1位。
- これにより1-3-1編成でのプッシュが可能になっている。
Darshan
- チームの核となる存在。
- キル数 (49)、ダメージ/分 (404) の両方がTopレーン選手中2位。
- AVG Gold Lead@10 (10分時点での平均ゴールド差) も2位。この数値は、CLGがいかに上手くレーンスワップを実行しているかを示す数字とも言える。
チャンピオン選択
Darshan
- キャリーチャンピオンをプレイすることが多かった。ただし現在のパッチ/メタではタンクの優先度が高くなっているため、CLGがどのようなピックをしていくかが非常に興味深い。
XSmithie
- 多様なチャンピオンをプレイしている。
- Team Liquid戦では彼がキンドレッドをピックするかどうかに注目。
Huhi
- CLGが優位に進めた試合では、Huhi選手がアサシンか、他のレーンに対する強いプレッシャーを与えられるチャンピオンを選択していることが多い。これはCLGの戦略の核になっている部分でもある。彼が先述のようなチャンピオンを選択することで、1-3-1でプッシュする際の人数差を作り出しやすいようにしているためだ。
Stixxay
- 最も多くピックしたチャンピオンはルシアンだが、一番良い成績を出しているのはエズリアル (4戦4勝)。
Aphromoo
- 一番良い成績を残しているのはバード (5勝1敗)。彼はかなりの時間をバードの練習に費やしているので、その努力が実ったかたちになった。
こうして見てみると、CLGがどれだけ得意とするプレイスタイルに特化してきているかが分かる。セミファイナルにおいて、果たして彼らは得意スタイルを現在のメタに合わせて調整してくるのか、あるいは全く違うスタイルを作り上げてくるのか、注目だ。
Immortals
Huni選手とReignover選手をFnaticから、Pobelter選手をCounter Logic Gamingから、WildTurtle選手をTeam Solo Midから、Adrian選手をTeam Impulseから集めてきた、いわば寄せ集めのチームであった。通常こういったケースではチームとして機能させるまでに時間がかかることが多いが、Immortalsは初日から見事な連携を見せ、結果17勝1敗という目覚ましい活躍を見せた。
チームデータ
NA LCS、EU LCS、LCK全体で1位の成績を残しているデータが5つある
- 平均ゲーム時間 30:48
- CKPM (Combined Kills Per Minute、両チーム合計キル数/分) 0.81
- キルデス比 2.1
- GSPD (Gold Spent Percentage Difference、消費ゴールド比率差) 18.7%、2位がTeam Liquidの5.4%なので、いかに圧倒的な試合が多かったかが分かる。
- 最初のバロン確保率 78%
- 最初のドラゴン確保率は61%でCloud 9とCounter Logic Gamingに続く3位。ただこれはImmortalsがTopレーンを重視していることを考慮するとしかたがないとも言える。また、単純にチームとして、試合序盤で1匹めのドラゴンを確保することを優先していないとも考えられる。
メンバーのデータ
Huni
- 基本的に主要なデータはすべて1位。
- 69キル
- CSD@10 (CS Differential、10分時点での対面とのCS差) +13.1
- CSPM (CS Per Minute、CS数/分) 7.9
- DPM (Damage Per Minute:ダメージ量/分) 610
Reignover
- ただHun選手を語る上で外せないのが、リーグMVPに輝いたReignover選手の存在。
- 相手ジャングラーに強烈なプレッシャーを与えながら、同時にファーミングでも先行する。
- DPM (ダメージ/分) 371 はジャングラー1位。
WildTurtle
- そしてReignover選手によるTopレーンへのプレッシャーから大きく恩恵を受けているのがWildTurtle選手。
- キル数 104とDPM (ダメージ/分) 674 はADCで1位。
- 一方で、CSD@10 (CS Differential、10分時点での対面とのCS差) は-0.6と、レーン戦ではあまり勝てていない (訳注: これはTSM時代から言われていることで今に限ったことではない)。しかし、彼が集団戦で大活躍する能力を持っていることは誰も否定できないところ。
チャンピオン選択
プレイオフで一番注目なのが、チャンピオン選択をどうするのかという点。レギュラーシーズンは圧倒的優位性から、Huni選手にキャリーチャンピオンを取らせ、Adrian選手に非近接攻撃サポート (ジャンナやソラカ) を取らせるという自らの得意なスタイルでゴリ押しすることができた。
またReignover選手がキンドレッドをプレイしていないのも注目点。今回のプレイオフではかなり優先度の高いチャンピオンになるため、彼がキンドレッドをピックするかどうかは要注目。
またタンクメタになっている今、通常はキャリーチャンピオンをプレイするHuni選手が何をプレイするのかも気になるところ。
いずれにしても、試合用パッチで3週間の練習をしている彼らが、プレイオフでは何らかの新しいスタイルを出してくるのではないかと予想する。
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